2007年5月25日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】労組や社会活動団体が制定した国家闘争の日の二十三日、全国十六州とブラジリア連邦直轄区で大規模な抗議集会が展開され、鎮圧に当った警官隊と衝突する事態に陥った。
抗議は労働法や社会福祉法の改正ならびに連邦政府の経済政策に及び、ルーラ政権発足後初めての大規模なものになった。集会が終わった夜、全国統一労組(CUT)の委員長は左翼系の様々な団体が統一行動を取ったのは大成功だったとした上で、抗議の声が関係者当局に届かなかった場合にはゼネストを行って、ブラジル全体の活動を停止する用意があるとの声明を発表した。
最も大規模だったのがサンパウロ市内のもので、約五〇〇〇人が州議会前に集結した。そもそもパウリスタ大通りでCUTのメンバー一二〇〇人、および教員一〇〇〇人が別々に集会を行った後、合流して州議会に行進した。これに公務員や学生が加わって五〇〇〇人に膨れ上がった。CUTの見積もりは一万人の参加者だったが、生憎の雨が災いした。
州議会では折しもセーラ知事が上程した社会福祉法の改正案を審議中だったことから、これに反対する群衆が議場に突入を図り、警備員とモミ合いになった。通報を受けて出動した軍警と衝突となり、警官が警棒やガス弾などを使用したため複数のケガ人が出た。
サントス市では約八十人がピアサゲラとグアルジャの間の道路を封鎖したため、警官が強制撤去し、連座したほとんどが逮捕された。ペルナンブッコ州では軍隊の兵卒が空に向けて発砲したことで拘束された。リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市では二五〇〇人の群衆が警官と衝突、教師一人がケガをして病院に収容された。
農地占拠運動(MST)のメンバーは九州三〇カ所で道路封鎖を行い、運転手らの怒りを買った。この中にはサンパウロ市とリオ市を結ぶドゥトラ道やセルジッペ・バイア間の国道一〇〇一号線の主要幹線も含まれた。
またサンパウロ州リベイロン・プレト市では料金所を二時間にわたり封鎖した後、待っていた車をすべて無料通過させた。アラゴアス州では止まったトラックから積荷を略奪するという暴挙にでた。
パラー州トゥクルイ水力発電所では約六〇〇人が侵入して占拠し、ルーラ大統領を慌てさせる場面も。大統領は軍隊の出勤を命じたが、群衆は当局との話し合いに応じ、撤収した。電力供給の停止には至らなかった。