2007年5月25日付け
ブラジルトヨタ(長谷部省三トヨタメルコスール社長、Toyota do Brasil Ltda)は、バイオエタノール、ガソリン、両方を混ぜた混合燃料に対応するフレックス仕様のカローラ、フィールダーの生産、販売に関する発表会をサンパウロ州グアルジャー市のホテルで二十二日、全伯のメディア関係者約百人を集め、行なった。フレックス仕様車のブラジル生産は、日本勢ではホンダに続き二社目。すでに販売を開始している。日本のトヨタ自動車から森光信孝・BRエネルギー調査企画室シニアスタッフエンジニア、藤田博也・商品開発本部第二トヨタセンター製品企画チーフエンジニアが今回の発表のため来伯、トヨタ初のフレックス車を大々的にアピールした。
このたび発表された『カローラFlex』および『カローラフィールダーFlex』はサンパウロ州インダイアツーバ工場で生産。今年度はカローラ三万四千台、フィールダーは九千台の生産・販売を目指す。
発表会で長谷部社長は、過去十年間にブラジル、アルゼンチンに十億ドルを投資、今回のフレックス車の開発・生産ライン設置に千五百万ドルを投入したと話し、カローラエンジンの品質を保ちながら、環境を重視したフレックス車の完成に自信を見せた。
現在、トヨタが世界で生産する全てのガソリンエンジン車にバイオエタノール混合率一〇%の燃料使用が可能だが、混合率一〇〇%にも対応する車両を市場投入するのは、今回が初めて。
一・八リットルガソリンエンジンのカローラ、フィールダーの燃料系、エンジン仕様をフレックス対応にしたもので、加速度、動力性能も改良されている。販売価格はそれぞれのバージョンによって異なり、約五万六千~七万九千レアル。
森光氏は、フレックス車の環境に与える影響などを日本での例を出しながら説明、「これからも省エネを実現した究極のエコ化を目指す」ことを宣言、トヨタが提唱する「適時、適地、適車」を強調した。
藤田氏は、アルコール一〇〇%に対応する車両生産を行う唯一の国であり、八〇%をフレックス車が占めるブラジルの状況を前置きしながら、今回のフレックス車の加速度、始動性、安全性などを専門的に説明、多くの主要部品に伯製品を使用していることを強調した。