2007年5月25日付け
アメリカの人材情報会社が、さきごろ同国内の主婦の年俸を試算したそうだ。十三万八千九十五ドル。安月給取りがびっくりの高額だ。レアル貨で月給に換算すると二万三千レアル余。最初にことわったように試算である。ごく平均的な普通の主婦の日常の仕事のすべてに賃金を支払うとすると、この額になるということらしい▼情報会社が言わんとしているのは、主婦の仕事は、亭主以上にたいへんなんだゾ、であろう。実際の話、この高額をだれが支払うというのか。もちろん、亭主であるはずがない▼主婦の仕事というものは、国によって差異があるものではない、というのが次の議論になるだろう。アメリカの主婦は、道具の電化により、肉体的労働に関してはもっとも楽をしているとみていい。ただ、肉体的労働がきつければ、報酬が多いとは必ずしも評価されまいから、この点についてはなんともいえない▼この年俸話で、まっ先に連想したのは、開拓時代のわが移民妻たちのことだ。語り尽くされているけれども、彼女らは農作業も男性に負けないくらいやり、その他の時間は家事、子育てをしたのだ。過去に遡って、米国の情報会社にコレソン・モネタリア(貨幣価値修正)をして、賃金をあてはめてほしいと思った▼最近聞いたのだが、県人会が食べものの「祭り」を主催するとき、台所に長時間しばりつけられる婦人部員たちの多くは無償とのこと。この労働の賃金はどうなのか。高額の年俸話はやはり、やはり他次元のことか。(神)