2007年5月26日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ルーラ政権に移行した二〇〇三年からこれまでに連邦警察が展開した汚職摘発は三三五件に上り、五六八二人が逮捕された。このうち公務員は一〇〇一人で、五人に少なくともひとりの割合となっており、まさに公務員の汚職天国の様相を呈している。このうち連警が七十三人含まれており、連警上層部は「自分の肉を切るようなもの」と堕落ぶりを嘆いている。連警に限らず国会議員、判事、高級管理職なども連座する大がかりの汚職が摘発されていることで、与党労働者党(PT)の乱れが原因だとうがった味方をする向きもある。
連警の汚職摘発作戦は〇三年が九件、〇四年と〇五年はそれぞれ四二件、六七件と上昇した後、〇六年はピークとなる一六七件と前代未聞のものとなった。今年に入り五月十八日までで五〇件とハイペースで推移している。この期間の逮捕者は五六八二人で、内訳は〇三年(二二三人)、〇四年(七〇三人)、〇五年(一四〇七人)、〇六年(二六七三人)、〇七年(六七六人)で推移してきた。
このうち公務員の検挙数は九二八人で、〇三年から年毎に九七人、一三四人、二一九人、三八三人、九五人とウナギ昇りとなっている。このほか連警が連座したのが七三人で両方を合計すると一〇〇一人となり、五人に一人は公務員となる。連警によると、近年の汚職は大規模な組織ぐるみとなっているのが特徴だという。
高級管理職が与党や連立政党で占められていることから、これらの党の体質を非難する向きが多い中で、これらの党では公務員の汚職は歴史的なものがあるとして今に始まったことではないと反論している。
〇三年からの連警の主な摘発は、
▼〇三年アナコンダ(大蛇)作戦・十月に連警がメスを入れたもので、摘発や裁判の判決に手心を加えたり情報を流していた組織の八人を逮捕した。組織はサンパウロ州を中心に四州にまたがり活動していた。逮捕者は連邦判事一人、連警刑事三人、実業家四人で司法関係汚職では初めてのケースで注目を集めた。
▼二〇〇四年五月・保健省を舞台に十三年間にわたり不正を働いていた一味一七人を摘発。被害額は二〇億レアルに上った。時の保健相も連座し逮捕された。
▼同年八月・連警がからんだ金融不正事件。八州で八〇〇人の連警が連座、一二三人が逮捕された。▼二〇〇五年六月・木材不法売買および運送業の組織を摘発。被害額は八億九〇〇〇万レアル相当。▼二〇〇六年五月・救急車スキャンダルに発展。保健省を舞台に国会議員を含む四八人の逮捕者が出た。
▼二〇〇七年四月ハリケーン作戦・司法関係多数が連座した賭博汚職、歴史上最大の不正事件と位置づけられた。
▼二〇〇七年五月剃刀作戦・公共工事に絡む不正事件。目下連警が容疑者を取調べ中。