「高級車は目立って危ない」=強盗や誘拐恐れ、消費者敬遠
2007年5月26日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジルの昨今の治安の悪化が国内での乗用車販売に波及している。高級車の需要が減少し、強盗や誘拐などの犯罪に巻き込まれないように目立たない車を買い求める向きが多くなった。自動車業界は国内販売で今年、史上最高を記録すると予想している中で、高級車はこれに逆行して販売は減少傾向になると予測している。
一八七万台で史上最高の販売となった一九九七年での輸入高級車(フェラリー、ジャガー、アウジ、メルセデス・ベンツなど)の比率は〇・五%だった。これに対し、今年の販売予想はこれまでの記録を更新する二百万台と言われながらも、高級車の販売比率は〇・二%から〇・四%とみられている。
アウディのブラジル代理店は高級車の比率は〇・四%以下になるとみて、戦略を変えて超高級車で高価な輸入車を市場に送り込むとの意向を示している。また、アメリカのコンサルタント会社のローランド・バーガーはブラジルの国内市場について、経済成長で所得が増加して生活にゆとりが出た上に、ドル安が加速したことで高級輸入車を購入するチャンスなのに、治安上の不安で目立たない車を買い求めていると分析した上で、ブラジル市場での高級車は〇・二%以下のシェアーになると予想している。
これはアルゼンチンと同率で、メキシコは〇・九%、中国は二・五%、アメリカは六・六%(五万ドル以上のもの)、ドイツでは一〇%になるとみている。その上で車のランク付は各社によって異なるとつけ加えている。
ホンダ・ブラジルによるとセダン大型車は高級車とランクしていないが、ブラジルでは高級車に分類されているという。とくにメキシコからの輸入車ACCORDは定価一三万四八〇〇レアルで、六〇%から七〇%は防弾ガラス付で納入され、高級車とされている。
ホンダの日本の重役がブラジルを訪れた際、防弾ガラスの存在を知らなかった由。同社が最高級としているのはアメリカで販売されているACURARLで、エアーバッグなどのアクセサリーのほかコンピューター整備されて価格は五万三二〇〇ドル。
ホンダACCORD、フォルクスワーゲンPASSAT、GMのOMEGAは、二〇〇〇年度四九七六台の販売が昨年七一八〇台へと増加した。価格は九万レアルから三〇万レアルで、目立たない車種であることから人気を呼んだ。
業務界筋によると、金がありながらも目立ちたくない向きにはセダン中型車が人気の的となっているという。トヨタCOROLLA、VWのJETTA、ホンダCIVIC、GMのVECTR、フォードFUSIONなどで、国内生産あるいはメキシコなどからの輸入で価格は八万レアル台。昨年は二万五三〇〇台が販売された。