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工業部門に投資意欲戻る=内需拡大を見越して=輸出業界は慎重姿勢崩さず

2007年5月29日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】今年の下半期に向けて、内需向けの工業部門の半数以上が事業拡張のための投資に意欲を燃やしている。反面、為替相場により採算が悪化している輸出業界は、投資の見返りが期待できないことから、投資志向は四分の一の企業にとどまっている。
 ジュトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGU)の研究グループが一〇七五社を対象に調査したもので、国内市場向け製品を生産している工場部門の五二%が投資の意向を示し、輸出業界は二五%にとどまった。
 この中には生産の九〇%以上が国内向けの一三六社が含まれている。これらのグループは二〇万二〇〇〇人の従業員を抱え、年商八三〇億レアルの規模だが、経済成長に加え、昨今の輸入品の急増で市場に対する危機感を募っており、対抗上投資による体質改善を迫られている。
 いっぽうで五〇%以上を輸出している企業は六七社で、従業員は一二万七〇〇〇人、年商五二〇億レアルなるも為替相場が好転する材料もなく先行き不安な状態に直面しており、投資どころではないのが実情。
 分野別で投資志向の最も高かったのが資本財で六八%(輸出業界はゼロ)、続いて建築が六一%(同一〇%)、消費財が五七%(同三三%)前述の工業が五二%(同二五%)、半製品が四一%(同四三%)だった。
 依然としてレアル高が続いている(先週末終値は一・九五レアル)ことが追い風となり、安価な輸入品が出回っている。このため輸入業者が急増、昨今の二万四五六七社から今年は二万九〇〇〇社に増加するとみられている。これは一九九九年以来の最多。反面輸出業者は二年連続で減少、二〇〇〇年のレベルに戻りつつある。
 輸入業者は過去三年間僅少ながら増加傾向をたどったものの二万二〇〇〇社にとどまった。しかし去年の大幅なドル安でウナギ昇りとなり二万四〇〇〇社を超えた。今年は四月までに二〇〇〇社が新規登録をしており、このまま推移すると、四五〇〇社以上になるとみられている。もともとは一九九八年に輸入業者は三万六一五八社だったのが九九年一月の為替切り下げで淘汰され、一九九九年には二万七五三九社に減少した経緯がある。