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伯日交流協会=第一号埴崎さんが着伯=ようやく研修事業再開へ

2007年5月29日付け

 ブラジル日本交流協会(山内淳会長)の特別派遣研修生として二十六日に着伯した埴崎郁代さん(34、愛知県)が二十八日、同協会運営委員の仁尾帯刀さんと来社、これからの研修に向け、あいさつした。
 〇五年に事業を中止していた日伯交流協会の研修生派遣制度が、ブラジルサイドを主軸に活動を再開して初めての研修生。来年三月末までの約十カ月間、二宮弁護士事務所で研修を行う。
 埴崎さんの来伯は二回目。ブラジル音楽好きが嵩じてポ語の習得に励み、昨年三週間、サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンテ、レシーフェの四都市を回り、「住んでみたい」との気持ちが高まったという。
 編集・校正などの仕事を経て、離日前は日本語教師の傍ら、外国人留学生らの生活をサポート。「日本にいながら、英語ばかりの生活」を過ごしたという。
 急増している在日外国人の数と共に、様々な社会問題も目立っている現状を、「助けてくれる人、頼れる人がいないことが問題なのでは」と指摘、帰国後はブラジル人を含めた在日外国人の生活補助などに携わりたいと考えている。
 そのためには語学が重要と認識、在伯中は大学の聴講生として、ポ語習得に力を入れる考えだ。
 「自分が外国人として生活することで見えることもあるはず。同時に移民、日系社会の歴史も勉強していきたい」と意欲を語った。
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 同協会は、ジャルジン・パウリスタ区に事務所を設けており、同ビル内にあるパーティールームで二十七日、交流協会生OBらを中心に約二十人が集まり、事業再開を喜ぶと共に、埴崎さんの来伯を祝った。
 来年度から約十人ほどの研修生を呼び寄せる予定にしており、日本側のOBが送り出し組織の設立を検討しているという。
 十六期生の仁尾さんは、「今まで引き受けて頂いた団体、会社に感謝するとともに、今後ともよろしくお願いしたい。日系社会の皆様には、温かく活動を見守って欲しい」と話した。