2007年5月29日付け
「サンパウロにきて、こんなに日本人や日系人が融和し尊敬されている場所は他にないと感じました」。NHKサンパウロ支局の中島昇さん(39、愛知県)は、そう約三年間の特派員生活を振り返った。来月半ばに帰国し、沖縄放送局のデスクに就任する予定だ。
最初の一年半はリオだった。支局をサンパウロ市に移したこと自体が「大きな仕事だった」という。サンパウロ市で一年半を過ごし、「やっと日系社会、ブラジル社会に慣れてきたところ。百周年のことをいろいろ伝えたかった。後ろ髪を引かれる思いです」。
一番印象に残ったのは「代理処罰」の一連の取材。「ブラジルではこんなに日系人は尊敬の目で見られているのに、日本ではそうではない。残念です。これからの課題でしょう」。
後任の濱西栄二さん(36、神奈川県)は六月八日付けの発令。初任地は奈良放送局で三年、続いて秋田放送局で一年、横手報道室に三年間に過ごして秋田放送局に戻り、さらに東京報道局国際部で三年をへて、今回ブラジル赴任となった。
米国が入国する外国人に指紋押捺を強要するようになったことに、唯一ブラジルのみが反発して米国人に同様の対抗処置を始めたのをみて、「対等に渡り合っている」という力強い印象をもった。任期中に百年祭を報道する予定。「期待に胸ふくらませています」。