2007年5月30日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】政府は二十八日、望まない妊娠を現在より容易に回避できる方策や男性の不妊手術の機会拡大を含む、家族計画推進案を発表した。
避妊対策の柱となるのは、経口避妊ピルの低価格化と販売拠点の拡大。価格は現行の九〇%割引となる、一セット(一カ月分)〇・三レアルから〇・四レアル程度とし、販売場所を政府直営の薬局三一一カ所から三四一六カ所に拡大する。また、保健所で無料配布されていたピルを二万セットから五万セットに増やす計画もある。
また、不妊手術を希望する男性には、現在統一保健システム(SUS、公立病院)で実施されている手術を、巡回診療所でも行えるようにし、機会の拡大を図る。保健省によると、手術は三〇分あまりで終了するという。
これらは、家族計画及び母体の死亡率低下推進策の一環で、学校現場やテレビ放映を通じた避妊教育も含まれる。しかし、実施開始予定や必要な予算については、何も明らかにされなかった。
カトリック教会は同日、他に取り組むべき保健政策がたくさんあるのに、避妊薬を製造する薬品会社の利益を優先しているとして、政府の家族計画推進案に反対の立場を示した。同案をサンパウロ市の連邦大学で発表したルーラ大統領は、出口で大学・保健予算の拡充を求める医学生ら六十人の抗議に会い、「もう不妊手術を受けたのか」との質問に対し、「プライバシーの問題であり、国家機密でもある」と応じた。