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伯はいつまで「うすのろ」か=気迫なくぬるま湯にどっぷり

2007年5月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四月十六日】ブラジルを「眠れる巨人」と呼ぶのは間違いだとする論説をエスタード紙が載せた。ブラジルは「うすのろの巨人」だ。何時までうすのろなのか誰も分からないし、永久にうすのろなのかも知れない。これは、国際通貨基金(IMF)の警告である。
 経済政策は正しい。財政状況も理想的。一つだけ難をいうなら、のろくて無気力である。ブラジルの社会状況から見て経済は、どうしても四・四%の成長率を達成しなければならない。しかし、ブラジルは途上国部隊のシンガリにへばりつき安閑としている。
 アジア勢は二〇〇八年、八・四%の成長率を達成する。途上国の平均は〇七年が七・五%、〇八年が七・一%とみられる。ブラジルがラテン・アメリカの平均にも及ばないとは、どう説明したらよいのか。これは、無能な政治家を選出した有権者の責任ではないだろうか。
 IMFの分析では、ブラジルにとってインフレや金利低下、コモディテイ市場の好転、設備の更新全ての条件が整っている。ただ下部構造の不備が成長の足止めになっていることが問題。ブラジルの下部構造は昔からいわれていることなのに、構造改革に取り組む意欲は見られない。
 IMF発表の「世界経済のパノラマ」や世界貿易機関(WTO)の報告では、ブラジルがぬるま湯に浸かるナマケモノの見本のように登場する。輸出ランクでは二三位から二四位に落ちたが、それは問題ではない。運動会の駆け足競争のように、次々抜かれるが何クソと頑張る気迫がブラジルに全くないことだ。
 ブラジルは一九九九年、為替政策を改善し、元気なアジア勢と並んだ。しかし、ブラジルは市場開放を拒んで殻の中に閉じ篭ったまま、国際市場に撃って出ようとしている。そして足元の整備は不完全なまま、直そうとしない。
 対外政策は貧乏人同士で貧乏人同盟をつくろうとしている。一度もウマが合ったことのない貧乏な隣人と、同盟を結ぼうとしている。国際市場のライバルは、最優先に国際貿易の道をどんどん整備しているのにだ。ライバルは有望市場を狙っている。
 ライバルらは、イデオロギーと商売をごちゃまぜにするような阿呆なことをいわない。第三世界の結集など、空想をもてあそんでいるときではない。世界の流れに逆らって、これほど愚かな話があるだろうかというのだ。