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北海道で〝お家騒動〟!?=北海道協会=理事がこぞって辞職願い=現職会長シャッパ出さず=大橋会長「争う気はない」

2007年5月30日付け

 今週末の二〇〇七年度定期総会を前に、ブラジル北海道協会から不協和音が聞こえている。総会で行なわれる役員改選で、続投の意思を表わしていた大橋皖吾現会長のシャッパはなく、二十八日の締め切り時点で提出されたのは同会長を含まないシャッパ一つのみ。同会では今年一月の役員会で、理事ら数人が口頭で辞職を申し出たという穏やかではない話もある。〃うちはずっと単一シャッパでやってきた。決してもめてなんかいない!〃――、と関係者は強調するが…。協会内の動きを探った。
 同協会の定期総会は従来二月ごろ。今年は、昨年末の民法改正を受け協会の定款改正手続きを進めていたために開催が遅れた。五月に入り、ようやく新定款に市からの認可が降りたため、六月三日、定期総会を開催するに至った。
 今年一月の役員会で続投の意思を表わしていた大橋現会長だが、二十八日の締め切り時点で提出されたシャッパに、同氏の名前はない。
 同会の高橋昭理事は「別に、不信任ということはありません。ただ二年の任期がたったので、役員選挙が行われるというだけのことです」と話す。
 大橋会長が就任したのは二〇〇五年二月の定期総会。三期六年会長を務めた元会長の谷口出穂氏(現名誉会長)は、「僕は出ると言わなかったし、高橋(昭理事)さんの推薦により、大橋さんを会長にするシャッパができた」と、当時を振り返る。
 同協会関係者によれば、大橋会長に対しての〃意見〃が出るようになったのは、昨年四月にロンドリーナで行われた北海道祭り以降。「会員らがボランティアとしてバスを出して手伝いにいっているのに、会長が、個人的な用事で参加しないのはどういうことか」という声があがった。
 「他の人が反対しているのに、話を聞かない」と会長のやり方を批判する理事の意見もある。
 今年一月には、役員会に出席した理事の約半数が「やめる」との発言を行う事件が発生。「会長が独断で物事を決めた」という関係者と、「会長の続投を表明しただけ」と話す大橋会長。両者の言い分は食い違っているが、「やめる」という発言に対し、会長が「やめるなら正式に辞表を」と回答。木下利雄第一副会長のみが実際に辞表を提出している。
 「二年間やるべきことはやってきた」と大橋会長。ニッケイ新聞の取材に対し、任期の間に会館建設の借金を返済したこと、舟橋喜市元会長の胸像を建立したことを挙げ、「二年間でやれなかったことを(次期に)やりたいと考えていた」と話す。
 会館近所との騒音問題の解決、会館に高齢者のためのエレベーターを設置することなどに働きたかったとしつつも、「争ってまでやろうとは思わない。別のシャッパが出るというので身を引きました」と、選挙に参加しない理由を説明した。「選挙は何が起こるかわからない。次の役員らがやるべきことはあるので、うまく成功してもらえるといいと思っています」。
 木下副会長はあまり多くを話さないが、高橋理事は「全て穏便です。うちはケンカになったことはあまりないんです」と繰り返す。「大橋会長には二年間、無事にやってもらった。別に大きな何かをやらかしたわけでもない。平穏にご苦労様でしたと、送り出したい」。
 県人会〃お家騒動〃とも見える、会長選挙をめぐるこのたびのゴタゴタ。総会を週末に控え、円満な解決が望まれるところだ。