2007年5月31日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】牛肉生産、輸出でラテンアメリカ地域最大、世界第三位の伯企業JBS―Friboiグループは二十九日、同じく牛肉生産で世界第四位の米企業Swiftを一四億ドルで買収したと発表した。この結果、JBS―Friboiは世界最大の牛肉生産会社となった。
JBS―Friboiの株式の七七%を保有するJ$Fは、Swiftの株式購入を通じて四億ドルを即時に支払い、昨年一一億六三〇〇万ドルに上った同社の純負債に対し、一〇億ドルの融資を行う予定。
JBS―Friboiの昨年の売上は一九億ドル、粗利二億七八〇〇万ドル、今年第1・四半期の純利益一〇六〇万レアル。一方、Swiftはそれぞれ、九六億ドル、二億七八〇〇万ドル、マイナス四八六〇万ドルだった。買収により、JBS―Friboiはブラジル、アルゼンチン、米国、オーストラリアにまたがって牛の解体・加工工場四〇カ所と、日産四万七一〇〇頭の生産能力を得ることになる。
また、世界の牛肉主要生産国と市場に拠点を有することで、JBS―Friboiの競争力は大きく強化される。米国は世界最大の消費市場、オーストラリアはアジア向けの主要供給国、すでに進出したアルゼンチンの牛肉は欧州市場でブランド力がある。
現在、ブラジルは牛肉の生産量が世界最大だが、口蹄疫といった衛生上の問題で、米国への生肉輸出は禁止されている。生産地の多様化によって衛生問題という障壁を同社は乗り越えたい考えだ。