ホーム | 日系社会ニュース | 聖総領事館=重岡さん、田中さんに勲章伝達=「最良の日」と喜び満面=幼時渡伯=地域への貢献光る2人

聖総領事館=重岡さん、田中さんに勲章伝達=「最良の日」と喜び満面=幼時渡伯=地域への貢献光る2人

2007年5月31日付け

 平成十九年度春の叙勲の勲章伝達式(サンパウロ総領事館管内)が、三十日午後三時から、総領事公邸で行われた。今回の受章者は、サンパウロ市在住の重岡康人さん(82、山口県出身、旭日単光章)とペレイラ・バレット市在住の田中俊雄さん(74、福岡県出身、同)の二人。式には、受章者の家族、親戚、友人の他、来賓として文協の上原幸啓会長、援協の尾西貞夫副会長、県連の松尾治会長、商工会議所の窪田敏明理事をはじめ、日系団体関係者ら約三十人が参列。西林万寿夫総領事から、受賞者二人に親しく勲章と勲記が手渡された。
 重岡さんは、五歳の時に家族と共に、ブラジルへ移住し、農業を手伝いながら育った。サンパウロに移り住んだあと、自前の木工所「重岡兄弟木工所」を開業した。
 サウーデ文化協会会長として協会および日本語学校の発展、同地区会員の団結、安定に貢献。ブラジル日系老人クラブ連合会長として、老人クラブ育成、日系高齢者の保護、自立に貢献した。
 田中さんは、三歳の時に家族と共に、ペレイラ・バレット市のイデアール植民地に入植した。青年期に、青年会活動のリーダーとして特にスポーツ活動に積極的に参加し、同地方における相撲の振興、普及に大きな役割を果たした。
 さらに、相撲を若い世代に伝えるため、自身が相撲選手となり、行司役も引き受け、相撲大会を企画した。多くの有力選手を育成し、ブラジル相撲界に大きく貢献した。
 ペレイラ・バレット文化協会会長を三度歴任し、協会の発展および移住者の団結、安定に貢献した。
 西林総領事は「今日の良き日に、二人への伝達式ができたことを喜ばしく思う」とあいさつ。
 重岡さんは「私一人で受章したものではない。この勲章はみなさんと、いつも支えてくれた家内のものです」と喜びのあいさつ。田中さんは「私や家族にとって、今日は最良の日。みなさまのご協力があり、受章できました」と述べた。

文協ビルに150人=重岡さんらの栄誉を祝う

 同日午後七時半からは文協ビル貴賓室で、祝賀会が開かれ、日系団体関係者約百五十人が出席し、二人の受章を祝った。
 開会のあいさつで、上原会長は「日系コロニアとして、喜ばしく思う。二人の活躍は、今後の日系社会に大きく発展をもたらすことと思います」と開会祝辞。二人の貢献を祝って乾杯が行われた。
 重岡さんは「今後も、日系社会に貢献したい」と抱負。田中さんは「日本文化の継承に各団体とともに尽くす」と述べた。