2007年5月31日付け
ア・マッシャードの日本人墓地に葬られた七百八十四人中、一人だけブラジル人がいる。同地の五〇年史『拓魂』によれば、一九二〇年に起きた殺人事件の犠牲者マヌエルだ。この事件では彼以外に日本人三人も死亡した。犯人は非日系のカマラーダで、正月元旦の夜十一頃に起きた。あっという間に四人がナイフで刺され、犯人は逃げた。自警団を組織して追跡したが、結局捕まらなかった。「この時代は無警察であって、治安は植民者自身が守らねばならなかった」と同書にはある。過酷な時代だった。
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日本人墓地はアルバレス・マッシャードだけではない。少なくとも平野植民地にも平野運平の埋葬された日本人墓地があるし、アマゾナス州パリンチンス郡ヴィラ・アマゾニア地区の高拓生発祥の地であるアマゾニア産業研究所跡地付近にも二十人ほどが埋葬された日本人墓地があると聞く。ただし、連邦政府から史跡文化財として指定を受けているのはアルバレス・マッシャードだけだ。他に日本人墓地をご存じの方は編集部(11・3208・3977=深沢)までご一報を。
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在外選挙人登録には通常、申請から二カ月程度の期間がかかるとされている。予定の日程通りに公館投票が実施される場合、残りの期間は約一カ月。今選挙に向けた登録は時間切れか、とも思われるが、サンパウロ総領事館の沖田豊穂領事によれば、「各市町村選管の対応次第」としながらも、「これまでの経験では一カ月で出たこともある」という。まだ間に合う可能性もあるようだ。