2007年6月2日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】エイズの病原菌HIVによる死亡率が一向に低下しないことがサンパウロ市衛生局の懸念材料となっている。
同局が十八日に発表したところによると、サンパウロ市内の罹病者の死亡率は二〇〇三年から〇六年にかけて二二%と横ばいで推移している。一〇万人当りの死亡が七・五人で、十年前の統計と変わりがなく、改善されていないことを如実に示した。
〇六年の新規患者は一七二〇人で、これによりサンパウロ市内で一九八〇年から六万四七〇三人が登録された。いっぽうで母子感染は二・〇八%にとどまり、世界保健機構(WHO)の指標の二%に近づいた。
死亡率が十万人当り〇四年で六・二人、〇五年が六人と高率となっていることから、市当局はエイズ対策委員会を設けて幅広く対処することにした。とりあえず患者の早期発見のために二四カ所の検査機関のうち五カ所で検査結果を一時間で出すという。これまでは十五日間を要していた。