2007年6月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】サンパウロ株式市場は連続的に高値となっており、今年に入ってすでに平均株価指数が二〇回以上も新記録を更新するほどの爆発的人気を呼んでいる。
これを受けて一日の取引の株価総額は史上初めてとなる一兆ドル台を上回った。二〇〇三年の時点ではわずか二億三四〇〇万ドルだった。〇四年は株取引がほとんど忘れられた存在だったことから、ここにきてカピタリズムの新しい風潮を見せている。
産業界ではこれまで資金の工面は開発銀行に限られてきたが、自社株の上場で柔軟かつ低コストの資金が入手できることになった。GOL、ALL、NATURAが上場して株の取引を始めたことで、各社もこぞって上場を決め、取引が活発化した。
これに加えて生存競争と株価安定のために業界の合併や提携がブームとなった。今年四カ月間で資本統合は二二七億ドルに上り、〇四年の一年間と同額となった。関係者は年内一〇〇〇億ドルに達するとみている。この風潮は世界的傾向で、全世界ではこれまでに二兆ドルを突破している。
ブラジルの株に対する認識は過去では未知数で、専門筋のガランチア銀行が一九九八年のロシア不況の余波で倒産して以来、目立った動きはなかった。九七年から〇三年の間に上場されたのはわずか三社で、取引はなかった。
その後、同行を買収したクレジット・スイス銀行とUSB銀行が業務を開始、前出のGOL社などの株を積極的に販売した。両銀行の幹部らはガランチア銀行の元メンバーで、外国で十数年経験を積んで帰国したもので、この時期国内発行の株の八〇%を仕切る、いわゆる仕掛人となった。これら仕掛人により株取引が活発化すると同時に、投資金の十倍以上の利益を得る人らが続出し、株の妙味が浸透していった。