2007年6月5日付け
南米浄土真宗本願寺(通称西本願寺、渡辺博文総長)は六月三日にサンパウロ・ホテル・トランス・アメリカで、第二十四代大谷光真門主を日本から迎え「第三回南米門信徒大会」を開催した。今回は親鸞聖人七百五十回大遠忌法要、日本移民百周年・先亡者追悼法要、門信徒大会開会式並びに基調講演、門信徒交歓会、歓迎夕食会が行われ、四十団体と個人参加の合計で約千人が訪れた。参加者の中にはアルゼンチン、パラグアイ、ブラジリアから来ている人もいた。
大遠忌・追悼法要を始める前に列席者全員で『真宗宗歌』を歌い、続いて門主が『正信偈(しょうしんげ)』を行い、お裏方(大谷範子門主夫人)をはじめ、西林万寿夫在聖日本国総領事、喜久子夫人などが順番に焼香を行った。
『親教』の中で門主は「自分達の夢を抱いて来伯した日本移民は、夢半ばで帰国したり、移動したりして大変ご苦労されたが、ブラジルへの貢献度は計り知れない」と述べ、「親鸞聖人が私たちに残していただいた南無阿弥陀仏のお心と共に生きていこう」と感謝の意を表しながら話した。
続いて『恩徳讃』を列席者全員で歌い、法要は無事に終了した。
パラナ州マリンガから四十二人を率いて参加していた安永修道さんは「現在マリンガの門徒は全員が日系人なので仏教の教えを非日系人や若い人たちにも教えていきたい。今回参加できたのはご縁があったもので最高の喜び」と満面の笑みを浮かべて語った。
昼食を挟んで午後からは門信徒大会(第一部)が行われた。『衆会』を歌った後、渡辺総長が「この大会によりアルゼンチンやパラグアイ、ブラジリアなどの各地方の方々が来られたことを嬉しく思う」と挨拶した。続いて、門主は「親鸞聖人は南無阿弥陀仏の言葉で我々に示してくれた。また、広い意味で仏教を生活に生かしていきたい」と仏教の大切さを説き、開会式は閉幕した。
その後の基調講演で後藤壽邦(じゅうほう)講師は「戦後、信仰の自由を認めたブラジルのおかげで浄土真宗本願寺派の普及を行うことができ、ここまで発展した。しかし、これからは世代交代や移動、言葉の問題で普及が難しくなってきている。これからどのように伝えていくかが問題だ」と話した。
交歓会(第二部)が始まる前に、門主夫人は「みんなが歌えるようにとハワイで行われた婦人の世界大会の時に歌を作った。これからは日本語だけではなくほかの言葉でも歌えるようにしなければならない」と話し、参加者と共にその曲『ほほえみとともに』を合唱した。
各地方の本願寺から参加していた人々が演歌などの唄やブラジル内で流行っているよさこいソーランなどの踊りを披露し、最後には本願寺踊りを参加者全員で踊り和気藹々の内に終了した。
歓迎夕食会(三部)の前に門主が挨拶。続いて西林総領事は「ご門主夫妻は遠路遥々ブラジルへ来られたことを心から歓迎します。法要が盛大かつ厳粛に行われたことに驚いた」との感想を述べた。夕食後に渡辺総長は「無事閉幕できたことを嬉しく思う。これからさらに念仏を南米に広げていきたい」と最後の挨拶をして、無事同大会は閉幕した。
南米浄土真宗本願寺は一九五〇年からブラジルで布教を開始。現在国内に約五十七カ所の仏教会(お寺が三十七カ所)があり、約二万人の門信徒がいる。