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銃器所持規制を緩和へ=再登録期限延長など=関係団体の猛反発に譲歩

2007年6月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】連邦政府は銃器所持に関する規制を緩和することを決定、今月中にも大統領暫定令を発令して実施することを明らかにした。
 今回の規制緩和の特長は二点に絞られている。一つは銃器再登録の期限で、昨年十一月に定められた七月二日の期限を十二月三十一日まで延長する。もう一つはそれに伴う登録料の引き下げとなっている。
 政府が去年十一月に規定して以来、民間警備会社を中心とした関係団体から不満が爆発、一〇件以上の提訴が行われるなど突き上げが広がったことから、政府はこれに対し、柔軟な姿勢で対応することになったもの。
 しかし民間警備会社協会では、十二月三十一日までの期限も早すぎるとして、向う三年間の延長を要求する動きも出ている。これに対し政府筋では早期期限の線引きをしなければ銃器の不法所持が増加し、犯罪の増長につながると反論している。
 二〇〇三年に定められた銃器所持改正法で登録が強化されたにもかかわらず、これまでに再登録したのは四五万五〇〇〇件、銃器を放棄したのが五〇万件に過ぎず、全国の所持数が一〇〇〇万丁から一五〇〇万丁といわれていることから、そのわずか一〇%にとどまっていると指摘している。
 いっぽうで登録費用の見直しも進められている。これまでの費用は一丁につき三〇〇レアルで三年間有効となっている。これに銃器の点検、心理テスト、実施試験の費用を加えると六〇〇レアルの出費となる。前出の協会によると、以前は約一八レアルだったのが何の説明もなく三〇〇レアルに引き上げられたと抗議している。
 これだと銃器五〇〇丁を有する警備会社は再登録に一万五〇〇〇レアルの出費になるとして、半額でも高いくらいだとの見解を示している。
 銃器登録が少ないながらも二〇〇三年の改正法で罰則が強化されたことで、殺人件数は減少傾向にある。一九九九年には三カ月間の四半期の殺人件数は平均三〇〇件だったが、二〇〇三年にはサンパウロ市で四五%、サンパウロ州で三六%の減少となった。