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バイオ燃料では成果なし=大統領、インドと協定結べず

2007年6月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】インドを訪問中のルーラ大統領は、バイオ燃料分野での具体的成果を得ることなく、五日午後に帰路に着く。ブラジル政府は四日になって、伯製エタノールのインドへの輸出増加と、その見返りとしてインドのサトウキビ生産性向上のための技術移転を進展させる協定について交渉を開始した。
 交渉は大統領の滞在するホテルの部屋で、インドのデオラ石油ガス相、ペトロブラスのガブリエリ総裁が同席して行われた。ブラジル側は、インド国内の一部地域で実施されているガソリンへのエタノール混合(五%)を全国に拡大すること、既に実施されている地域では混合率を五%から一〇%に引き上げることを要請した。
 デオラ石油ガス相は、ブラジル政府の技術協力によるサトウキビの生産性向上に関心を示しながら、エタノール生産と消費拡大については、供給能力、輸送体系の確立、消費市場へのアクセスの三条件がまだ満たされていない点を明らかにした。ガブリエリ総裁もエタノールの普及には国際ルールの整備と供給能力の向上が前提で、まだまだ時間がかかると理解を示した。
 インドは昨年、サトウキビ生産量が二億四四八〇万トン、栽培面積四一〇万ヘクタールと、ブラジルに次ぐ世界第二位の生産国で、ヘクタール当りの生産量は五九・七一トン。一方、ブラジルはそれぞれ、四億四〇〇〇万トン、五四〇万ヘクタール、七五・三トンで、生産量は首位を維持しているが、ここ数年間の傾向をみるとインドの追い上げは激しくなっている。