レアル高をどう読む?=世界経済の流れに着目
2007年6月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五月二十日】米国がクシャミをしたら、米国以外の国は肺炎を患うという時代は終わったと、経済評論家のミング氏がいう。途上国経済が、いまやグローバル経済の成長率の三分の二を担っている。世界経済は体力がつき、昔のようにセキをしなくなった。
米経済二〇〇六年のGDP(国内総生産)は一三兆二〇〇〇億ドルで、経済成長率が二・三%であった。これは、グローバル経済に三〇三〇億ドル貢献したことになる。中国のGDPは二兆六〇〇〇億ドルで、米国の五分の一。それでも一一%も成長し、グローバル経済を二八六〇億ドルも増やしたことになる。
グローバル経済への貢献度では、米国と中国は大差がない。一方ブラジルのGDPは一兆〇六七〇億ドル、成長率は四・〇%。グローバル経済への貢献度は四二〇億ドルである。レアル高騰はグローバル経済を反映したものではない。為替差損の被害者は長い目で見てはどうか。
為替予測は前世紀の感覚では分からない。中国効果という新現象が予測不可能の現象を引き起こし、異変をもたらす。それは中国を始めとするインドやロシア、韓国、トルコ、オーストラリアなどの途上国連合が、グローバル経済の流れを変えているのだ。
安い人件費でハイテクを駆使、低額商品を大量輸出し急成長を続ける国々が、外貨の山を積み上げている。これらの国々は、大量のエネルギーと原材料、食糧を必要としている。こうしてグローバル経済の流れを変え、ブラジルにドルの豪雨を降らしている。
韓国がアジアの某国で自動車の部品生産を契約すれば、サンパウロ州ABC地区の雇用前線にインパクトを与える。企業家や経済アナリストは為替政策の変更を訴えるが、八十年にわたる為替危機を救えなかった悪法を後生大事にする専門家の感覚がおかしいのだ。
サンパウロ州工業連盟(FIESP)の提言に従い、政府は為替政策を再々変更した。その結果が、一ドル一・九六レアルである。為替の影響を最も受ける企業代表のFIESP自身さえ、為替について無知なのだ。このまま為替危機を放置すれば、ブラジルの産業空洞化は確実に進む。
レアル高の原因は高金利だと責任逃れをする。基本金利は昨年九月から七・二五%下げたのに、ドル流入が増えるばかり。原因が分からないから政府を無能呼ばわりする。中央銀行は為替介入で一三〇〇億ドルを買い込んだが、まだレアル高騰は止まらない。
どの市場分析も的外れである。グローバル経済の流れが見えていない。しかも、この流れは当分変わらない。為替の影響については、特にブラジル・コストが高くつく生産部門が打撃を受けている。為替危機の解決法は為替の人為操作ではなく、減税と製品に課せられた数々の負担を減らすことだ。