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コラム 樹海

2007年6月6日付け

 日本のデカセギの比較的多い地方の新聞のホームページを注意してみていると、「こんなものかな」と思うときがある。外国人に地元文化を紹介した、外国人対象にこんな催しがあった、などという記事である▼ブラジル人も参加して楽しんでいるんだろう、と読み進めると、「ブラジル人も…」は出てこない。こんな場合は、ブラジル在住者として、贔屓(ひいき)しているので、なぜか面白くないのだ。単純にいえば、ブラジル人は外国人ではないのか、と言いたくなったりもする。複雑な気持ちだ。新聞に出てくる外国人は、といえば、多くは例によって欧米人、日本の近隣のアジア諸国の人たちである▼だが、待てよ、とも考える。ブラジル人は、特に日系ブラジル人は「そんなことは知っている」「関心がない」といって、外国人対象の地域の諸行事に参加しないのか、あるいは、労働に多くの時間をとられ、文化吸収どころじゃないのか、さらに催しの主催者は、日本人と同じ顔をした日系ブラジル人に最初からアヴィーゾしなかったのか、などと▼犯罪がらみの事件報道のときだけ名前が出るといった、贔屓するあまりの僻(ひが)み?もあることは意識している。デカセギが多い地域の自治体は、けっしてデカセギを軽視していないことも十分知っている。生活しやすいようにできるだけの手は打ってくれている。それも報道をみているとよく理解できる。環境は、今後さらに改善され、整っていくだろう。そう期待している。(神)