2007年6月9日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】上院倫理委員会は六日、レナン・カリェイロス上院議長(ブラジル民主運動党=PMDB)に対する政治倫理抵触の審議要請を受理した。同議長に対する審議は、メンデス・ジュニオール建設会社がロビイストを通し、議長の愛人モニカ・ヴェローゾさんと私生児の費用毎月一万二〇〇〇レアルを負担した疑惑の事実解明と倫理抵触についてである。同審議の上程者に指名されたカフェテイラ上議(ブラジル労働党=PTB)は、サルネイ派の一員である。ヴェローゾさんは、議長の預金譲渡証言を事実誤認であると否定した。
上院倫理委員会は、自由社会党(PSOL)の上院議長に関する審議要請を受理した。PSOLは、建設会社による愛人費用の負担告発を審議するよう要請した。上院議長にも抗弁を求めた。倫理委員会は、トゥーマ委員長(民主党=DEM)の報告書で審議の是非表決を採り、要請を取り下げ、同件を簡潔に処理する意向のようだ。
しかし上院議長の支持者は、これからの政治活動のために事実解明の審議を開始するよう求めた。これは、政治工作で臭い物にフタをする与党の企みに対し、PSOLが徹底解明を求めたことに応えたもの。上院倫理委員会が数の力で閉じようとしたものを、PSOLがこじ開けたらしい。
PSOLは、上院議長による弱者じゅうりんの政治体質を弾劾するマニフェストを発表した。議長側近と野党の一部は、同件の握り潰しで上程者に急きょ倫理委員入りをさせた最長老のカフェテイラ上議を指名し、結束した。同上議はマラニョン州の政治ボスで八十三歳、ほとんど登院することなく別荘で昼寝をしていた。
上程者はトゥーマ上議とはタイプが異なるが外圧に強く、議長のPMDBでもなく与党の労働者党(PT)でもない同じ穴のムジナである。上院議長は、側近が画策した握り潰し戦法に不満のようだ。
問題は、PSOLが最高裁へ先手を打ったことだ。上院議長を担ぐ与党と野党の一部が思案した物量作戦は、根本的解決策を欠く。PSOLの要請が握り潰されると上院議長に対する告発は無効になるが、最高裁がPSOLとの和解を命じる。この和解で上院議長が愛人を売春婦呼ばわりしたことは、上院倫理委員会と上院の尊厳を著しく損なって人格欠落者となり、政治生命を絶たれる。
もし最高裁の和解命令に至ると、上院議長周辺の小細工は徒労になる。トゥーマ監察委員長が流れを創ったことは、厳しく批判される。愛人の証言は、全く取り上げられることなく葬られる。同委員長が提出した告発を無効とする報告書は法的なもので、道義的なものではない。
ペレス上議(民主労働党=PDT)が六日、身の潔白が証明されるまで上院議長の一時休職を要求した。上院は国家統合の鏡であり、国民は真実の解明を求める。上院議長は、政治倫理法廷の被告だと訴えた。同議長は何物をも怖れるに足らず、休職の意向が全くないと表明した。休職を要求したシモン上議(PMDB)とネリー上議(PSOL)も、前言を撤回した。