2007年6月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】五月度の自動車の国内販売は二一万一一五五台となり、生産操業開始五十年間で最高記録となった。これまでの月間最高記録は十二月の二〇万四八〇〇台だった。今年に入っての五カ月間の累計は八八万三六二一台で、そのうち九五%は乗用車および軽商業用車、残りはトラックとバスだった。これにより各社とも増産に拍車をかけている。とくにフォルクスワーゲンは人員削減計画を廃止し、逆にシフトを増やして雇用を拡大するなど好況に湧いている。
国内販売は昨年度と比較すると一月から五月までの昨年の累計が七一万二八四一台だったことから、これも今年は歴史上最高となり、昨年より一カ月分販売が伸長したことになる、上昇は昨年対比二四%増となった。これにより各社の年内予想は上方修正を余儀なくされており、GMでは年末まで二三〇万台とし、当初予想を一〇万台上回っている。
フィアットでは乗用車ならびに軽トラックのみで二二〇万台とし、自動車生産協会が示した全販売数(トラックとバスを含む)を上回る予想としている。昨年の販売は一九二万台だった。同社では五月度の販売は前月(四月度)の一七・七%増で、昨年同月比では二八・六%増となった。この背景として、金利の引き下げやクレジットの旺盛化に加え、製品に対する消費者の信用度が増したことが販売増につながったと指摘している。
同社は五月度の販売で二六・八%のシェアを占め、今年の累計では二五・五%で国内トップとなっている。しかし他社で見られるような在庫不足に直面しておらず、生産待ちの状態にはなっていない。昨年末に好況を予期してベチン(ミナス州)工場を逸早く三シフト制に移行し一二〇〇人の新規採用を行ったのが功を奏している。
さらに同社は今週に入り一七〇〇人を雇用した。またベチン工場の負担を軽くするためシエナの生産を来年一月からアルゼンチン工場に移すべく計画している。同社のパリオは五月度の販売が二万七九三台で四月対比三七%増と好調だった。業界トップのゴルは二万一三九三台で前月比一三・五%増だった。パリオ車はゴルにわずか六〇〇台というところまで迫った。
ランキング三位のウノは一万一七八三台で前月比二八%増、セルタは二四%増(一万一七〇五台)、フォックスは二〇%増(九七九七台)、コルサ・セダンは六%増(八六一五台)シエナは三七・六%増(七八三七台)だった。
フォルクスワーゲンはABC地区での経営再建策による人員整理を打ち切り、二〇〇八年まで土曜日の残業を決定した。またタウバテ工場での七〇〇人の新規採用を打ち出した。GMではセルタとプリズマを生産するグラバタイ(リオ・グランデ・ド・スル工場の三シフト制を検討中。この両車は在庫切れで十五日から六十日間の生産待ちとなっている。