2007年6月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】五十七年間消息を絶っていたインジオの部族が姿を現わせて話題を呼んでいる。この部族はもともとマット・グロッソ州に広く居住しているカイアポー族の一族で、一九五〇年に同族が白人との融和を決めた際に反発してパラー州南部に移り住んだ。国立インジオ基金(FUNAI)によると、その後他人種と接触がなく、病気で全滅したと思われていた。
同部族はマット・グロッソ州北部にあるカイアポー族の部落から一キロの地点でキャンプを張り、太鼓などで合図を送っていたが姿を現わさなかった。たまたま二人の若者が狩猟に出掛けて遭遇した。もとは同一族だったため言語が同じで話が通じた。
この部族は金掘りや不法木材業者に迫害を受けたため居住地を逃げたとFUNAIはみている。部族は総勢八十七人で約一〇〇キロを歩いて移住してきた。FUNAIでは隔離生活を送ったインジオの生態研究になるとして事情を聴取する。