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今年最大の犯罪摘発作戦=2千5百人余り逮捕=市警、名誉挽回をかけて=サンパウロ州

2007年6月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】サンパウロ州の各市民警察は十四日、今年最大となる犯罪摘発作戦を展開し、州内で二五三二人を大量検挙した。
 この作戦はストライク作戦と名付けられ、四月に行われたのに引き続き、第二弾となった。四月に行われた第一回目はビンゴ撲滅を目的としたものだったが、今回はそのほか広範囲にわたる犯罪の摘発を狙ったもの。州当局は昨今表面化しているビンゴやスロットマシンマフィアと警官とのゆ着により傷ついた警察の名誉挽回の一環であることも強調している。
 今回の作戦は十四日午前五時を期して州内六四五市で一斉に行われた。秘密保持のため、捜査員にも事前に一切知らされなかった。捜査員は延べ一万八二〇〇人が動員され、検挙者のほか、一二二三件の家宅捜査令状をもとに一八〇丁の銃器、二二〇五台の車、一六〇キロの麻薬、二九六七台のスロットマシーンが押収された。逮捕者のうち約一五〇〇人が即刻起訴された。これは州内の二つの刑務所を満杯にするのに十分な数となった。
 摘発は誘拐、銀行強盗、詐欺、積荷強盗から果ては警官にまで及んだ。この中で州当局が自賛しているのが私立探偵グループの犯罪組織摘発で、同グループは銀行員と内通して個人情報を盗み出しては金融詐欺を繰り返していた。またサンパウロ州バウルー市を舞台として燃料盗みを行っていた組織も摘発した。
 さらに二月二十八日にサンパウロ市モエマ区で発生したイタウ銀行の襲撃事件の一味も逮捕した。この事件で当時十三歳の少女が流れ弾に当って半身不随になり、車椅子生活を余儀なくされたことで世間の同情を買った。少女に当った弾丸を発砲した男は北部で銀行強盗を企て、警官と撃ち合いになって死亡したとのこと。
 またサンパウロ市軍警の消防士三人も逮捕された。組織十人からなる強盗および窃盗団の一味で、アパートや商店、倉庫などに防災検査と称して押入り、盗みを働いていた。この三人は一味に消防服を提供していた。