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サンパウロ州=人口分布に大きな変化=社会の高齢化進む=30歳未満と以上が同数=「若者の州」返上

2007年6月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】サンパウロ州では過去三十年間で年代層による人口分布に変化をきたし、高齢化社会が形成されつつある。これまでは三十歳未満が大半を占めてきたのが、ここにきて三十歳以上と同数になっている。学校の授業でサンパウロ州の人口構成はピラミッド型が定説になってきたがこれが覆った。ピラミッドの底辺が若者層で、高齢者が頂上に位置していたものが、現在は正方形へと様変わりした。この背景には高齢者の平均寿命が伸びたこともさることながら、少子化や若者が犯罪に巻き込まれ、死亡率が増加しているのが原因となっている、これによりサンパウロ州の人口増加の鈍化を危惧する向きもある。
 州立データ分析システム(SEADE)の発表によると、二〇〇六年度のサンパウロ州の人口構成は三十歳未満以上が同数となり、サンパウロ州が若者の州であるというイメージを返上する破目となった。一九八〇年の時点では三十歳未満が倍だった。
 八〇年から〇六年までの推移を見ると、男性の〇歳から十四歳までが四二〇万人から五〇〇万人に、十五歳から二十九歳までが三八〇万人から五四〇万人に、三十歳から四十四歳までが二三〇万人から四六〇万人に、四十五歳から五十九歳までが一四〇万人から三一〇万人に、六十歳から七十四歳までが六〇万人から一三〇万人に、七十五歳以上が一〇万人から四〇万人となっている。
 これに対し〇六年の女性人口は、年齢層別にそれぞれ(カッコ内は八〇年当時)四八〇万人(四一〇万人)、五四〇万人(三八〇万人)、四八〇万人(二三〇万人)、三四〇万人(一四〇万人)、一六〇万人(七〇万人)、六〇万人(二〇万人)となっている。
 これで分かるように男女ともに三十歳から四十四歳まで、および四十五歳から五十九歳までの上昇率が倍以上となっている。これにより三十年前は若者層が倍以上だったのが、同数に変化し、ピラミッド型は崩壊した形となった。
 若者層の減少の原因は少子化にある。二十六年前の出生率は一〇〇〇人当り二十九人だったのか〇六年は十五・五人となった。反面死亡率は六・九六人から八・八九人と一八%の上昇となった。
 少子化に加え、高齢者の寿命が伸びたのも原因となっている、平均寿命は六二%伸長し、七十歳以上の男女は三〇万四七八〇人から九八万一五六七人へと三倍以上となった。反面〇歳から十四歳までの上昇率はわずか一六・五%だった。
 データで見ると十四歳までの男子が五〇〇万人で、女子が四八〇万人となっており、男子の出生率が上回っているものの、三十歳未満ではいずれも五四〇万人と並んでいる。これはこの年代の男子が犯罪に巻き込まれて殺人で死亡していることを浮き彫りにしている。二十五歳までの殺人の犠牲者は二十五歳以上のそれと比較して六倍以上となっている、これに加えて交通事故による死亡も増加している。
 長寿は女性が顕著となっている。男性が平均六十二歳に対し、女性は六十八歳となっているが、七十五歳以上は女性が六〇万四三九九人に対して男性が三七万七一六八人と女性上位を如実に示している。関係者は、高齢化社会は今後二十五年間は続くとみており、その対応策が必要だと説いている。