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百周年=具体化に向け検討開始=ブラジリア=7作業部会の方針説明=「移民史は伯歴史の一部」=デカセギ問題解決へ本腰

2007年6月16日付け

 【既報関連】ジョゼ・アレンカール副大統領ら臨席のもとブラジル外務省内で十四日正午から、ブラジル日本移民百周年記念国内組織委員会の発足式が挙行された。それに続いて午後三時半から、同省内で担当官僚らが勢揃いする中、具体的なプロジェクトを進める七作業部会について会議が行われた。在日ブラジル人の諸問題の解決や、文化関連では移民史調査関連に予算を振り分ける方針などが表明された。同組織委員会の正式発足を受け、政府レベルでの動きは一気に加速しそうだ。
 関係官僚や日系団体代表ら五十五人が出席し、伯外務省アジア・オセアニア局のレジナ・ドゥンロッピ局長とアジア・オセアニア二課のフランシスコ・マウロ・デ・オランダ課長が司会を進め、七作業部会それぞれのコーディネーターから進展状況や方針などが順に説明。大テーブルを囲んで、三時間にわたって会議は行われた。
 文化・観光・スポーツ作業部会のエルロン・ジョゼ・パスコアル氏(文化省)は基本的な考え方として、来年六月十八日に連邦議会で行われるブラジリア記念式典は連邦政府が予算を計上するが、同二十一日のサンパウロ市式典など各地の催しに関して連邦政府は支援しない方針を明らかにした。
 さらに、文化省には潤沢な資金がないことを断り、その日限りのイベントではなく、五年十年と継続して行い、後に価値のあるものを残せる事業を優先する、とし、「日本移民史はブラジルの歴史であり、その記録事業に関しては支援する」とした。
 会議中、百周年記念協会による箱モノ記念事業への支援の話題はまったく俎上に上がらなかった。
 他に、在日ブラジル人コミュニティ作業部会のエドゥアルド・グラジロネ氏(伯外務省)は、デカセギ問題解決に関して、すでに三十人からなる委員を指名し、年初から十件のプロジェクトの検討を進めていたと発表した。
 具体的には、政府主導で在日ブラジル人コミュニティに関する本の刊行、在日コミュニティ向けの職業紹介や情報交換のできる専用サイト設置、生存する最古参日本人移民と最も古い在日ブラジル人などの体験を聞くセミナーなどだ。
 伯外務省が再三表明している、刑法や民法の司法共助協定や年金通算協定を日本政府に求めることもその一つだ。
 リオ州日伯文化体育連盟の鹿田明義理事長、聖南西文化体育連合会の森エリオ会長、ミナス日伯文化協会の馬場直哉会長ら各地代表も出席した。
 百周年記念協会からも上原幸啓理事長、松尾治執行委員長、吉岡黎明文化委員長が出席。上原理事長からドゥンロッピ局長に、同記念協会代表として首都での会議に山中イジドロ氏が出席することを認めてもらう要請書を提出した。
 松尾執行委員長に会議の感想を尋ねると、「これから何度も会議がある。次からはもっと具体的な提案をしていきたい」と語った。
 今までは日系社会主導とも感じられた百周年だったが、これからは政府レベルでの動きが活発化する。政府との、より一層の緊密な連絡体制が必要とされる段階になってきたようだ。