2007年6月19日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】サンパウロ州検察局は不法とされているスロットマシン営業への捜査および摘発の目こぼしを目的とした市民警察の収賄事件で、サンパウロ市内九十三カ所の警察署のうち、八十四の警察署の警官がワイロを受取った嫌疑が強まったとして本格的な追及に乗り出した。
なかでも各区の警察署を統轄する警察本部八つのうち、七つが不正に染まっている容疑が明るみに出て、業者と警官の根深いゆ着にメスが入ることになる。警官のワイロ事件では一九九四年、ビッショ(数字トトカルチョ)取締りの手抜きの見返りとして金品を受取ったとして四十二人の警官(ほとんどが警察署長)が摘発されて罷免されて以来のもので、公僕の大スキャンダルに発展する様相をてい呈している。
これを受けてサンパウロ州議会では議員調査委員会(GPI)を設置すべく緑の党(PV)と労働者党(PT)議員が中心となって署名運動を始めた。率先する議員は警察内部の責任問題はもとより、贈賄として業者への罰則も科すと意気込んでいる。
そもそも事件が発覚したのはスロットマシンを不法営業している業者の弁護業務を担当している弁護士の車内から先月二十五日、各警察署の宛先が明記された三一枚の封筒に二万七〇〇〇レアルの現金が入っていたことによる。弁護士はサンパウロ市内で強盗に遭遇、逃れるために車を発進させて事故を起こし重傷を負った。車内の封筒は事故の検証を行った軍警により発見された(一部既報)。その後、連警の協力のもとに内偵を続けた結果、五件を証明した。
検察は弁護士のメモの解明を急いでいるが、サンパウロ市警本部は容疑者として浮上した警官二十七人のうち二十人を停職処分とした。いずれも捜査取締課長の要職で署長に次ぐナンバー2の存在。容疑が固まり次第、懲戒免職となる。
また警察署本部では第六警察署(サント・アマ―ロ)で二〇〇〇レアル、第一警察署(都心)で一万レアルの受授の五件を急いでいる。
渦中の弁護士は先週退院したことで警察の取調べを受けているが、贈賄を否定している。車内の現金は弁護料だとして封筒の表記の警察署は管内のスロットマシンの実数だと説明している。警察では辻つまが合わない点が多いとして、さらに追及する構えを見せている。
サンパウロ州署長労組の委員長は、一連の不正事件は警官の安月給に原因しているとして政府を非難する発言を行って、関係者から見当違いの発言だとしてひんしゅくを買っている。