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日本移民99周年を祝う=移民の日=白寿迎えた日系社会=今年もサンパウロ市で先駆者慰霊

2007年6月17日付け

 六月十八日、ブラジル日系社会は九十九年目の移民の日を迎えた。サンパウロ市では今年も十八日にあわせ、サンゴンサーロ教会、イビラプエラ公園開拓先没者慰霊碑、文協大講堂で慰霊行事を実施。先人の苦闘と功績に思いをはせた。今年は月曜日だったことから、サンパウロ市以外にも近郊、国内各所で週末にかけて記念の行事が行われている。笠戸丸から九十九年、人間で言えば白寿となるブラジル日系社会。日本移民百周年の記念日まで、あと一年に迫った。
 主要日系団体共催による日本移民九十九周年記念開拓先亡者追悼法要が十八日午後一時半過ぎから、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会の記念大講堂で行われ、約三百人が開拓先駆者の苦闘に思いを馳せた。「来年は百周年」との言葉が来賓の口々から聞かれ、一年を切った本番にむけ気持ちを引きしめていた。
 壇上に設置された「開拓先亡者之霊位」を前に、釈尊讃仰会の斉藤正行会長が開会の辞を述べた。
 ブラジル仏教婦人連盟、エスペランサ婦人会のコーラス部の約四十人が開拓先亡者讃歌「道の光」を合唱。その後、美和会(琴)や都山流(尺八)による献楽が行われている中、茶道裏千家ブラジルセンターによる献茶、生け花協会の献花が行われた。
 同婦人会の「捧ぐみあかし」を合唱している中、華やかな衣裳をまとった稚児や諸僧・導師らが、入場した。
 導師の焼香が終わると開拓先亡者に対しての敬白文が読まれた。その後、各宗派代表の僧侶らの焼香も行われた。
 上原幸啓会長は「日本移民は現在の発展の基礎を築いた。先亡者たちに報告できるように日伯親善を深めていくことをここに誓う」と日伯関係のさらなる発展を約束した。
 西林万寿夫在聖総領事は「長期に渡り日本移民はブラジル内で信頼、評価を得ている。そのおかげで現在の地位がある」と感謝の意を表しな述べた。
 野末雅彦JICA聖支所次長、松尾治県連会長、菊治義春援協第二副会長がそれぞれ追悼の辞を述べた。
 各宗派僧侶により読経が行われる中、来賓・一般焼香が五カ所で行われた。列席していた人たち全員、焼香を行った。
 佐々木陽明浄土宗南米開発教総務は法話で、追悼法要の始まりや始めた理由について話し始め、「現在や未来だけを考えるのではなく、過去に起きたことを正しく評価して将来に繋げていくべきだ」と改めて追悼法要の意味を日本人移民の功績を称えながら話した。
 田中美枝ブラジル仏教婦人連盟会長が閉会の辞を述べ、無事閉幕した。
 同追悼法要はブラジル日本文化協会、釈尊讃仰会、ブラジル仏教婦人連盟、ブラジル日本都道府県人会連合会の共催で行われ、東本願寺、西本願寺、曹洞宗、浄土宗、真言宗、日蓮宗、本門佛立宗の各派から僧侶が各三人づつ集まった。