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膨張し続けるサンパウロ市=追いつかない都市計画

2007年6月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】サンパウロ市は過去四十年間に世界で三番目の人口過密都市となり、大サンパウロ市圏では世界で六番目の大都市となった。急激な都市集中化が進んだ七十年代、都市計画が後手に回り、所かまわずスラム街がはびこり無秩序化した。
 サンパウロ市は一九六九年、市街地が八五一平方キロあった。現在はさらに四七平方キロ増え、住宅は七万戸増えた。そのため多くの農園の地主は、土地税を市街地並みの税率で課された。七万戸のうち五万七〇〇〇戸は住宅だが、一万七〇〇〇戸は物置や倉庫である。
 さらに五万七〇〇〇戸のうち四万八〇〇〇戸は、評価格が免税対象の六万一二四〇レアル以下である。税収増になるのは二万二〇〇〇戸で、金額にして一七〇〇万レアルになる。しかし、サンパウロ市は二〇〇七年家屋税の税収を二六億レアルと見積もっている。
 サンパウロ市の膨張は目まぐるしいが、都市計画の実施に税収が追い付かない。〇二年九月に都市計画条例を制定し、市街地を大幅に拡張した。しかし、都市計画の実施速度が都市の膨張速度に追い付かない。都市計画ののろさは、過去四十年間同じことの繰り返しで、反省も工夫もない。
 サンパウロ市はラテン・アメリカのハイテク産業の中心地で、技術研究所、マーケティング本部、ビジネスや産業視察団が世界から押し寄せ、サンパウロ市は目まぐるしく発展している。産業が生まれれば雇用が創出され、人材が集まる。その成長速度は、サンパウロ市都市計画課の頭では測り切れない。
 家屋税法は市街地とされる地域の免税点に達しない家屋を除いて、全家屋が対象である。市街地とは、学校や保健所などの公共施設から半径三キロ以内で電気や上下水道、アスファルトがあれば市街とみなす。問題は市が投資しただけの見返り効果が、同地域から上がっていないのだ。

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