2007年6月21日付け
「メンだけに、こりゃ一本とられた!」。ブラジル鳥取県人会主催のラーメン祭りがサンパウロ市内の同会館で三日に開催され、記者から婦人部手製の麺の味を問われた大村吉信さんはそう語り、箸を竹刀のように正眼にかまえたまま豪快に笑った。
「麺の打ち方は十七歳のときの覚えた」と婦人部担当の高居ジェシー副会長のラーメン歴には年季が入っている。小麦粉は六十キロ買った。金曜日から仕込みをしているので、準備だけで丸二日がかりだ。スープには牛と豚の骨あわせて三十五キロを買って、丸一日煮込んでダシをとった。
当日は変わり種の寿司が入った、彩りの美しい弁当も並んだ。「いつも何か新しいメニューを一つやるのよ」と高居副会長はいう。同婦人部は、昨年の日本祭りでは天ぷらを四千個販売した実績を持つ。
加藤恵久会長は「この会館も十年を超えたんで、あちこち痛んできている。改修するのにお金がかかるんですよ」と収益の使い道を説明する。今年は特別にイベントをひんぱんに行っている。
三月十一日は中華ラーメン祭りに始まり、四月十五日はヤキソバ祭り、今回、六月三十日はフェスタ・ジュニーナ、七月の県連・日本祭りの後も九月二日にフェイジョアーダ祭り、十月二十一日にはマッサ(イタリア麺)祭りと続々と予定している。
加えて恒例のやすらぎホーム慈善バザー(八月)、希望の家慈善バザー(九月)、中国ブロック行事と息つく暇もない。忙しい年を締めくくるのは、十一月二十五日に予定されている県人会創立五十五周年だ。
書記の末永正さんも「会員が友だちを誘ってきてくれるので、二百人以上は来場します」という。会館近くに住んでいる田端せつさんは、麺をすすって、「手打ちだけあって本当に美味しい」とニッコリした。