2007年6月22日付け
【既報関連】静岡県から十七日に来伯していた日伯移民百周年記念事業浜松実行委員会(石川エツオ委員長=浜松ブラジル協会会長)ら一行十二人が、二十日にリオからサンパウロ市に移動し、百周年記念協会との打ち合わせのあとブラジル静岡県人会の歓迎会に参加した。
今回の主目的は、来年六月に姉妹都市であるリオ市で百周年を記念して行う、浜松の伝統行事・大凧揚げの下見をすること。イパネマ海岸など三カ所を視察した結果、帰国後に正式に決定するが、今のところコパカバーナ海岸が有力候補に挙がっているという。
〇八年六月には六帖サイズの大凧を五枚揚げる計画で、そのために一枚あたり十人が必要。交代要員をふくめて計百人が来伯する。それに加え、観光客百人も随行するので全部で二百人の大使節団となる。予定では来年六月中旬に八日間(うち機中三泊)。
すでにフランスや英国でも揚げたが、その時は二十人程度の使節団だったという。同行した旅行関係者も「南米までこれだけの人数を連れてくるツアーは初めて。気合いが入ります」と表情を引き締めていた。
昨年来、同県人会としてはリオでの凧揚げの際に「ぜひサンパウロ市でも」との申し入れをしていたが、視察の結果、リオだけになった。
約二十人の県人会関係者が会館に集まった歓迎会で、鈴木静馬会長は「今年は県人会創立五十周年。今回はダメだったが、ぜひ六十周年では浜松の凧揚げをお願いしたい」と熱烈にアピールした。
石川委員長(二世、バウパライゾ市出身)は「十年後とはいわずとも、将来サンパウロでも揚げる機会が作れればと思う」と返答し、「十八年前から浜松市に住んでいるが、このようにブラジルで凧揚げを紹介できる機会があるとは夢にも思っていなかった」との感想をのべた。
各人が自己紹介する中で、同委員会事務局の荻田卓司さん(財団法人・浜松コンベンションビューロー)は初来伯した印象を「眠れる大陸。サンバのリズムのようにどんどん発展する可能性を感じた」などと語った。
またニッケイ新聞の取材に対し、浜松まつり本部凧揚部の溝口直樹部長は「ぜひ凧揚げを成功させ、浜松市民の心意気を伝えたい」と意気込んだ。同祭りは毎年五月始めに行われ、三日間で百七十万人が訪れる伝統行事だという。
一行は、翌二十一日に観光団体用の候補地を視察し、同日晩に帰国する。