2007年6月23日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】全国の飛行便の運航を管理するブラジリアの航空管制センターが一部の業務しか実行していないことで、空港は三日連続で混雑が生じている。二十一日は全国一四七五便のうち三八%が発着遅れ、八%が欠航するなど約半数に支障をきたした。なかには二十四時間も搭乗を待つ乗客も見られた。
空軍上層部が管制機器は正常だと主張している中で、管制官らは老朽化して安全は保障できず、さらに過重労働の原因になっているとして、検査および交換を要求している。二十一日午後には九機のモニターのうち、わずか二機が作動する破目に。このため発着陸の間隔が通常四分なのに対し、同日は二十分に及んだ。サンパウロ市の空港では午後に九時過ぎに遅れが一時間以上に達した。
こうした中、空軍上層部は管制官らにサボタージュの疑いがあるとして、管制センターにビデオカメラを設置して業務を監視する措置にでた。管制官らは一斉に反発。関係者によると、両者間には会話がなく確執は深まるばかりだという。空軍は二十日、航空管制官協会連合の委員長の身柄を拘束したが、拘束期間を当初予定の四日から二十日間に延長したことも管制官らの態度を硬化させている。
長期間にわたる空港混乱の原因と責任を追及している議会調査委員会のメンバーは、管制センター内の確執の収拾を図るべく仲介を申し出たが、空軍は軍内部の問題だとして申し出を一蹴した。空軍は一部の内紛だとの見方をしており、五十人の管制官を処分する意向だと伝えられている。
これに対し管制官らが白スト(出勤するが業務は拒否)を決行する動きがあるが、二十一日現在、態度を決定していない。
サイトウ空軍総司令官は、混乱は一部の不隠分子によるものだとの見解を表明したが、ルーラ大統領は同司令官が適切な処置で事態を平常に戻すだろうと述べ、司令官に白紙委任の形で処分を一任することを明らかにした。