ホーム | 日系社会ニュース | サンパウロ州移民記念館=移民祭りで〃母の味〃堪能=30カ国もの民族系が協力

サンパウロ州移民記念館=移民祭りで〃母の味〃堪能=30カ国もの民族系が協力

2007年6月26日付け

 サンパウロ州移民記念館(Memorial do Imigrante=旧移民収容所)は十七日と二十四日の二日間、第十二回移民祭り(XII Festa do Imigrante)を同敷地内で開催している。三十もの民族系コミュニティが踊りや料理で協力しており、まさに〃移民の町サンパウロ〃を実感できるイベントだ。
 元館長の樋口緑さん(69、二世)は「日本移民、イタリア移民、ポルトガル移民などそれぞれにフェスタをやってるけど、ここなら一緒にできる。〃サンパウロの顔〃を見せたい」とこの祭りが始まった経緯を説明する。
 五千人もが来場した十七日はリビア系、イタリア系、ポルトガル系などのグループが、野外舞台には順番に歌や民族舞踊を披露した。日系からは琉球国祭り太鼓が元気な演奏を披露し、盛んに拍手を浴びていた。
 記念館の奥には、イスラエル、ポーランド、スペイン、リトアニア、ペルー、ロシアなど特設の各国料理屋台が設置される。樋口さんは「家庭料理も食べられますよ」と、通常は食べられない各コロニアの〃母の味〃もあるという。お菓子類も販売され、だいたい三~十五レアル。
 初めて記念館に来たという木村利夫さん(68、二世)は「すぐ近くにすんでいるんだけどね」と笑いながら、「父母がここでお世話になったかと思うと感慨深いモノがあるな」としみじみ語った。妻のフミ子さん(64、二世)も「たくさん人がいるのでビックリしました」。
 樋口さんは「来年は百周年ですから、もっと日本の芸能を紹介したい。そして日本の観光客にも見てもらいたいです」と微笑んだ。
  ◇    ◇
 二十四日(日)は午前十時から午後五時まで。入場料は四レアル。住所(Rua Visconde de Parnaiba, 1.316, Mooca)。メトロのブラッセル駅から徒歩五分。本物の蒸気機関車による遊覧は四~六レアル。路面電車は四レアル。