コラム　オーリャ！

２００７年６月２６日付け

　コロニア芸能祭に、歓喜と拍手の渦をもたらした、響ファミリー。コロニアで育ち、日本で華を咲かせた。コロニア仕込みといえる芸人の、まさに恩返しだった。
　「踊れるだけでは駄目。他と違うことを―」と、明るいトークと軽い冗談が会場を沸かす。多くの人の心を惹きつけるコツは身につけている。
　技術の向上を目指して日本に渡り、錦を飾って帰郷した一座。三世が、移民の夢を、逆の形で実現したように思われた。
　劇団の帰国はたった一週間。もとは数週間を予定していたが、日本での公演が入ったため短縮したとか。「すぐに帰っちゃうのよ」と話した母、宮子さんの、淋しげだが子供の活躍を喜ぶ、複雑な表情が思い出される。
　コロニアとっては、先の楽しみが一つ増えたというところ。華やかな舞いをまた見たい。（稲）