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全伯で祝われた移民99周年=盛大な百周年〃前夜祭〃に=例年以上の伯メディア報道

2007年移民特集

2007年6月28日付け

 白寿を迎えたブラジル日系社会。百周年を翌年に控え、今年の移民の日は例年以上に国内各地で記念行事が行われ、ブラジルマスコミから広く注目を浴びた。先駆者慰霊のミサ・法要や日本文化イベントに加え、各地の州・市議会でも日本移民の記念日を顕彰する催しが実施された。さらに今年は移民の日にあわせ、ブラジル連邦政府をはじめ国内各地で行政・議会レベルの百周年委員会が続々発足したのも大きな特徴だ。日伯交流年が始まる二〇〇八年を半年後にひかえ、両国の動きもラストスパートに入ってきたようだ。

百周年委、続々と発足=州・市議会も各地で顕彰

 今年は六月十八日にあわせ、国内各地で行政レベルの百周年委員会が発足したことも大きな特徴だ。
 先駆けとなったのは十四日、ブラジリアで行なわれた連邦外務省による組織委員会の発足。副大統領、外相はじめ閣僚六人、日系八十団体の代表が集結した。
 移民の日当日には、リオ、サンパウロ、スザノでそれぞれ委員会が発足。
 リオでは州知事を名誉総裁とした州レベルの実行委員会、サンパウロでは日系市議を中心とした市議会百周年委員会、スザノ市でも市長はじめ約三百五十人が出席して市百周年委員会の発足式が挙行された。
 ブラジリアでは今年、委員会発足にあわせ、〃前夜祭〃となる各種関連行事を実施。移民の日の前後には日本文化の展示、また十八日、十九日には委員会発足、移民九十九周年を記念したセミナーも開かれた。
■各地で顕彰議会■
 今年も連邦から州、市レベルまで、各地の議会で顕彰の行事が開かれた。
 ブラジリアでは十九日午後、伯日議連会長の高山ヒデカズ下議の提案により、議会で日本移民九十九周年の顕彰が行なわれた。
 クリチーバ市のパラナ州議会では十八日、西森ルイス州議の提案による「移民の日」議会が開かれ、州内日系団体代表、佐藤宗一総領事なども出席。会場では三味線の演奏なども披露された。
 同じ十八日の夜には麻州クイアバ市議会でも顕彰議会が開かれ、席上、日系五家族が顕彰されている。
 二十日午前には南麻州カンポ・グランデ市議会が日本移民を顕彰。あわせて、各市議の推薦により、同市での日本文化普及に貢献した二十一人が顕彰された。
 サンパウロ市近郊でも十二日にサント・アンドレー市議会、サンベルナルド・ド・カンポ市議会では十六日、第二十六回移民祭の一環としてそれぞれ記念の議会が開かれ、それぞれ二人、一人の日系人が功労者として顕彰された。

サンパウロ州地方部でも盛大に=リオやパラナも慰霊行事

【サンパウロ】
 サンパウロ市では今年も移民の日当日に、サンゴンサーロ教会での慰霊ミサ(文協、日伯司牧協会主催)および、イビラプエラ公園内開拓先没者慰霊碑前(県連主催)、文協講堂(文協、県連主催)での仏式法要が営まれた。熊本(十日)、沖縄(十七日)、宮崎(三十日予定)の各県人会でも、それぞれ独自に追悼法要を行なった。
【サンパウロ市近郊】
 市を中心に百周年公園の計画を進めるモジ・ダス・クルーゼス市では十七日午前、市内プラッサ・ドス・イミグランテスで慰霊のミサ。安部順二市長、議長なども訪れ、花を捧げた。ミサの後は同広場で太鼓演奏なども行なわれた。
 オザスコ市では十八夜、市議会で仏式法要を実施。その後記念議会が開かれ、同地文協関係者八人が表彰を受けた。
【ノロエステ】
 ノロエステ地域でも各地で関連行事を開催。アラサツーバでは十八日夜、同地文協による慰霊祭が市内生長の家会館で実施され、約二百人が訪れた。同日午前にはカトリックの慰霊ミサも行われている。
 リンス市では十七日午後から、リンス慈善文化体育協会、リンス本願寺主催の仏式慰霊法要、白寿祝いが同本願寺で行なわれた。約三百五十人が出席、同市市長も訪れた。
 バウルー日伯文化協会でも十七日午後から市内の文協会館で、青木ジョアン・バチスタ神父によりカトリックのミサを行い、約四百人が出席した。同文協七十一周年および青年団体「Circulo Catolico Estrela da Manha」の五十周年もあわせて祝った。
【サントス】
 サントス日本人会では十七日、昨年十二月に六十三年ぶりに返還された旧サントス日本語学校校舎で、初めてとなる慰霊ミサを行なった。翌十八日午前中には、市内ボケイロン海岸の日本移民ブラジル上陸記念碑前で、市長も出席して神式による慰霊行事が行なわれた。
 いずれもサントス日系社会にとっては初めてのこと。同市では二十一日から二十四日まで、こちらも初の「移民祭り」が開催されている。
【リオ】
 リオでは十八日の州百周年委員会発足に先立ち、十六日、市内のサンタ・ルージア教会でリオ州日伯文化体育連盟主催の慰霊のミサが行なわれ、州内各地から約三十人が訪れた。
【パラナ】
 国内第二の日系人口を誇るパラナ州。パラナ日伯文化連合会による恒例の同州日本移民九十九周年仏式慰霊法要は十六日午後、ローランジア市の移民センターで営まれた。先ごろ着任した佐藤宗一クリチーバ総領事も出席し、約二百人が開拓先亡者の御霊に手を合わせた。
 毎年法要に出席していた最後の笠戸丸移民、中川トミさんは昨年十月、百歳で死去。初めて迎える「トミさんのいない」移民の日だった。
 北パ最大の日系人集住地、ロンドリーナでも十日、市内カンペストレの会館で同文協主催の仏式法要を実施した。同会館では七日から十日まで、北パラナ最大の日系イベント「エキスポ・ジャポン2007(カーザ・ジャポンから改称)」(第四十六回ロンドリーナ農産展)も実施された。
 州都クリチーバでも十七日午後、文協による仏式法要が市内ウベラーバ会館で営まれ、約百五十人が訪れた。

関連文化イベントも=日本祭り、移民祭りなど

 移民の日に合わせた各種の日本文化紹介イベントも各地で実施された。
 サンパウロ州レジストロでは十日から、初めてとなる「日本文化週間」を開催。十七日には「第十二回寿司祭り」が開かれ、大勢の人でにぎわった。その前日には、同市百周年委員会による造形作家、豊田豊氏制作の記念モニュメント第一号の落成式も行われている。
 豊田氏はまた、北パラナ・ロンドリーナ市が百周年事業として進める、最後の笠戸丸移民で昨年十月に百歳で亡くなった中川トミさんの名を関した「トミ・ナカガワ広場」にも二十メートルの記念碑を製作することが決まっている。ロ市では十八日にあわせ、ネジソン・ミシェレティ市長と同市百周年委員会が建設計画を発表した。
 リメイラ市では五月末から六月三日まで、市と同地文協による「第九回日本移民祭り」が開かれ、日本の食や芸能、文化を幅広く紹介。ユバ・バレエの公演もあった。
 カンピーナスでも九、十両日、同地文協で、三回目の「日本祭り」が行われた。
 コチアでは十八日から二十四日まで、初めての「日本文化週間」を実施。市条例により開催が決まったもので、期間中、写真展や各種講演を実施。議会で記念式典も行なわれ、地元日系人が顕彰されている。
 ノロエステ線ビリグイ市では十六日、市内のSECI(Servico Social da Industria)で「第一回日本移民祭り」が開かれ、好評だったようだ。
 大サンパウロ市圏サンカエターノ・ド・スール市でも十七日、移民の日に合わせた文化イベントを実施。
 グアルーリョス市では二十四日、市条例による「ブラジル日本友好フェスティバル」が開催され、各種舞踊や日本食などが紹介された。
 クリチーバでは二十九日から七月一日まで、恒例の「移民まつり」の開催を予定。