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過去の先輩忘れずに=沖縄県人会=しめやかに移民の日法要

2007年6月28日付け

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)は六月十七日午後、サンパウロ市の同会館で移民九十九周年記念第十三回開拓先亡者追悼慰霊法要を行い、会員約九十人が参加した。今回は開拓先人とあわせ、沖縄戦で亡くなったひめゆり学徒隊ほか八校の女学隊の法要も行われた。 
 一分間の黙祷に続き、田場ジョルジ実行委員長が開会挨拶。野村流古典音楽協会ブラジル支部等が古典民謡「十七八節」を演奏後、県費留学生OB会の稲福スエ、具志堅克実さんが献花、銘刈惠子、米田まさみさんが献茶(ぶくぶく茶)を行った。
 阿部朋樹(ほうじゅ)導師による読経の中、来場者が焼香。訪日中の与儀会長に代わり挨拶した与那嶺真次第一副会長は「先亡者は心の中にいる。残された自分達は過去の先輩達を忘れてはいけない」と話した。
 笠戸丸県人移民の子孫を代表として与那嶺ルーベンスさんが壇上に上り、開拓先亡者に感謝の辞。最後に山城パウロ副実行委員長は「来年は重要な法要になります。ぜひ皆さん家族で供養しに来て下さい」と呼びかけ百周年への誓いを新たにした。
 会場を訪れた前田徳英さん(66、二世)は、「ブラジル沖縄系社会は各家族がいろんな宗教に進んでいる。沖縄に宗教はない。先祖に感謝することが大事」と法要の感想を述べた。宮城信吉さん(67、浦添市)は「沖縄戦が始まった時、私は熊本県に疎開しており、地上戦を体験していないが、戦争を非常に身近なものに感じる」と話していた。