2007年6月29日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】玩具、CDなど偽造品製造で名を知られる中国が、今度は食肉に手を広げた。中国で製造されたニセモノのブラジル産食肉がヨーロッパとロシアの市場で出回っているという苦情が、最近数多くブラジル政府に寄せられている。
偽造食肉の包装にはブラジル産と記され、ポルトガル語で書かれたニセの認定書まで添付されている。農務省は、ここ数年間に輸出量が増え、地域によっては高級品として認められている伯産食肉のイメージに傷がつくことを憂慮、偽造が困難になるよう来週にも認定書を変更すると輸入各国に約束した。
ブラジル豚肉製造・輸出協会のネット会長は、偽造の苦情は増える傾向にあり、それは伯産食肉が高品質であることの証明だと話している。
ヨーロッパ市場では、低価格だが衛生上の問題で禁輸措置がとられている国からの食肉の密輸が増えている。イギリスでは昨年、二〇〇一年の十倍に当る一〇四トンの密輸食肉が押収された。イタリアでは二六〇トンの密輸食肉がカラブリア港で押収されたが、大部分が鳥インフルエンザ対策に問題があり輸入禁止となっている中国から運ばれたものだった。
アジア市場でも、インドネシア、マレーシア、フィリピンなどの国が、輸入禁止となっている中国産豚肉と鶏肉の密輸が絶えないと不満を漏らしている。
一方、中国政府も食肉密輸の被害を受けていると訴えている。同政府は先週初め、今年に入ってから中国の港で三五〇〇トンの密輸食肉を押収したと発表。一部はブラジルから密輸されたという。ブラジル政府は口蹄疫の影響のない地域を中国政府は認識しているはずだとして、中国政府の伯産牛肉の輸入禁止を批判している。