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コラム 樹海

2007年6月29日付け

 沖縄県人は「肥満率(日本)全国一」だそうだ。これを返上する一歩として、女性栄養士の一人が、県内の美味しい食品のカロリーを算出した。その上、食いしん坊たちに嬉しいことを言った。「食べてはいけない食品なんて一つもない。要はカロリー量をしっかり把握して、摂取と消費の帳尻を合わせればいいんです!」▼もう解ると思われるが、これは何も沖縄県人だけに対するメッセージではない。ブラジルにいて、お腹をポンと突き出しているわれわれ老若男女すべてに当てはまることだ。「そんなこと、解っているよ。でも食べるものが目の前にあれば、しようがないんじゃないの」という声が聞こえてきそうだ▼沖縄県人の肥満率が高まると同時に、まず男性の長寿日本一は消えた。男性たちはなぜ?とはいわなかった。当人たちが消えた理由をよく知っているからだ。ウサンミ、テビチ、タコライス、泡盛、他地方にない高カロリーの食品がずらり並ぶ。食欲のおもむくままに食べていれば、太るのは当然だ▼沖縄県では、特に女性は、長寿が約束される食事を長い間摂ってきた。男性も同様だった、といいたいが、世代が下がって、県内の子孫も、ブラジルで生まれた子孫も成人病に罹りやすい食習慣に染まってしまったのだ▼それにしても、食べてはいけない食品なんて一つもない、なんてよく言ってくれる。帳尻を合わせればいいなんて…。健康を維持していきたいと切に思っている人は、聞く耳を持っていると思われるが。(神)