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大統領、上院議長を擁護=検察と連警の捜査非難=法相、官房長官も味方に

2007年6月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】上院議長のスキャンダル発覚で、議長辞職をめぐって与野党の攻防が激化、上院が混乱を続けているのを受けて、ルーラ大統領は二十八日、上院議長を擁護する発言を行って、事態収拾に向けて動く姿勢を見せた。
 これにともないジェンロ法相やロウセフ官房長官など閣僚が一斉に議長擁護を表明した。これに反しルピー労働相が自党の民主労働党(PDT)の方針に従って議長糾弾を続けるとしているが、政府の大半が議長擁護に回ったことで、新たな局面を迎える様相を呈している。
 ルーラ大統領はこれまで本件に関し沈黙を守っていたが、前日に議長が事態収拾に向けて支援を要請したのに対し、即座に応じた。大統領は関係者を前にプラナルト宮で、検察と連警の捜査の在り方について強く非難した。
 いわく確証が得られないままに罪を公にしていたずらに問題を波及させているとした。そして、裁判で有罪が確定されるまでは人権が守られるべきだとした上で、無実の罪をかぶせるのは、実際に罪を犯した人を無罪にするのと同じで、大きな間違いだと述べた。
 さらに検察と連警はデモクラシーにのっとり慎重に事を運ぶべきだとの考えを強調した。しかしその直後、列席していた検事総長を指し、不正に立ち向かう姿勢と業績を評価すると賛辞を述べ、関係者は矛盾する発言だと指摘している。
 これに対しカリェイロス上院議長は、感謝の意を込めて大統領の背中をポンポンと叩く仕草を見せた。その上で大統領を「最高の友達だ」と絶賛した。大統領が一般論を述べたのに対し、ジェンロ法相は「議長を無罪と信じる」と名指しで弁護した上で、国会の正常化を望むとのコメントを発表した。
 政府の援護で気を強くしたカリェイロス上院議長は、あくまでも議長を辞職する気はないとトーンを上げている。