2007年6月30日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】中央銀行は二十八日、四半期ごとのインフレ報告書を発表し、その中で今年の予想経済成長率を四・一%から四・七%へと上方修正した。財務省の予想は四・五%で、中銀の楽観的姿勢が示された形となった。
中銀のメスキッタ経済政策局長は、国内総生産(GDP)の計算方法見直しと、ここ数カ月続いている景気拡大に基づいて、経済成長率を上方修正したと述べた。
同報告書は、三・四半期連続で四%成長を実現しているのに加え、一九八六年以降、二十一・四半期連続でプラス成長が続いている、さらに、経済活性化計画(PAC)、実質所得の増加、金利低下の継続、世界経済の成長を踏まえると、今年、経済成長は加速するとしている。
インフレについては、基本金利年一二%、レアル相場一ドル一・九五レアルを前提に、広範囲消費者物価指数(IPCA)の今年の予想を三・八%から三・五%へ、二〇〇八年の予想を四・四%から四・一%へと引き下げた。レアル高と公共料金の値上げ幅縮小(今年は四・五%から三・六%へ、〇八年は五・六%から四・五%へ)を考慮した結果と、同報告書では説明されている。
一部金融アナリストが上方修正を評価する中、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)のスカフ会長は、昨年のGDPとインフレの予想がはずれたことを踏まえつつ、年の途中で予想を「水増し」するのは昔からの中銀のやり方で、他の新興国と比べれば成長は微々たるものだと今回の予想に一石を投じた。