2007年7月3日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】抗生物質の効かない耐性菌の出現が衛生監督庁(Anvisa)の初めて実施した調査で明らかにされ、問題となっている。
同庁は昨年七月から今年二月にかけて公立病院を中心に六十四カ所の病院で耐性菌の調査を実施。その結果、消化器系疾患の治療に最も多く使用される抗生物質、ジェンタミシナは、症例の五九%で治療効果のないことが確認された。肺炎の治療に使われるオシャシリナも効き目のないケースが六二%にも上り、泌尿器の感染症に対して多用されるセフトリアクソナは七〇%に達している。
耐性菌の出現は抗生物質の乱用が原因と医師らはみている。多くの医師は経験をたよりに、効き目の有無に関係なく、より高価で新しい抗生物質を選ぶ傾向がある。例えば、院内感染の治療に使われるアンピシリナは使用率が四七%と低いが、九四%のケースで効果が確認された。昔からある安価な抗生物質と知られているが、細菌に耐性があるとみなして医師の多くは採用していないという。
また、感染した細菌のタイプを調べる検査の結果が出る前に患者の死亡を防ぐため、医師らが応急措置としてほとんどのタイプの細菌に効き目がある抗生物質を使用するケースが公立病院では多く、これが耐性菌の出現につながっていると感染症研究者のマーラ氏は指摘している。
病院側は、抗生物質使用の厳格なコントロールと投薬期間の制限、過去に使用され現在は採用されなくなった抗生物質の復活などを対策として打ち出している。