ホーム | 日系社会ニュース | 子供たちにも郷土の先達知らせる=100周年、動き出した熊本県=9団体で連絡会議発足へ=上塚周平銅像、台座が完成=県人〃子孫〃高木本社社長も現状説明

子供たちにも郷土の先達知らせる=100周年、動き出した熊本県=9団体で連絡会議発足へ=上塚周平銅像、台座が完成=県人〃子孫〃高木本社社長も現状説明

2007年7月3日付け

 【藤崎康夫=東京支局長】ブラジル日本移民百周年まであと一年足らずになった、あす三日、熊本県では、百周年関連九団体が熊本市国際交流会館に集まり、「ブラジル移民百周年連絡会議」を開くことになった。
 ブラジル第一回移民とともにサントスの土を踏んだ皇国殖民会社現地代理人上塚周平と自由移民として渡伯した、元『サンパウロ州新報』社主香山六郎の出身校である熊本県立高校「済々黌高等学校」の卒業生たちにより、二〇〇五年半ばから、百周年に向けての準備が進められてきた。
 上塚周平の故郷である熊本県下益城郡城南町(旧杉上村)の有志たちにより、いち早く「城南町上塚周平建立期成会」と「城南町いっぺの会」が発足した。
 昨年、済々黌高校卒業生有志により正式に「済々黌高校上塚周平顕彰会」が結成され、積極的な活動が続いている。
 要請によりニッケイ新聞社の高木ラウル社長も一昨年から数回、訪熊し、ブラジルや日系社会について説明をしてきた。
 本年六月、高木社長は城南町を訪ね、関係者とともに上塚周平生家と墓地を訪ね、続いて町役場で八幡紀雄町長をはじめ戸内敏議長らと会談。
 その後、銅像建立期成会(一村信義会長)により、すでに完成している台座を見に、同町・火の君総合文化センターの庭園を訪ね、すでに完成している台座設計者らの説明を受けた。
 台座の背後には日伯両国の大きな旗が描かれ、前面には両国を結ぶ移住船が抽象的に刻まれている。
 「この郷土の先輩の銅像を見て、子供たちがブラジルを身近な国と思うようになってくれれば、こんなに嬉しいことはありません」と関係者は語る。
 済々黌高校上塚周平顕彰会は、上塚周平をはじめブラジルについての講演会やフォーラムを定期的に開いている。
 「城南町いっぺの会」は、散逸している上塚周平をはじめとするブラジル移住関連の資料収集に動いている。また県内の劇団も、百周年をテーマにとり組もうとしている。
 関係者は「百周年を形だけのもので終らせてはならない」と語り、中味のある百周年を目指し、さらに内容を深めるため、関係団体の連絡会議への参加を呼びかけている。