2007年7月4日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】教育審議会(CNE)の調査で、全国の公立初等教育機関(五年生から八年生)と中等教育機関で二四万六〇〇〇人の教員が不足していることが明らかとなった。調査結果は三日にパラー州ベレン市で発表される予定。
教育省は全教科で必要な教員の合計を七一万八九三人と見積もっているが、一九九〇年から二〇〇一年までに教員免許を取得した人の数は四五万六九四七人だった。特に物理は五万五二三一人が必要なのに対し、取得者はわずか七二一六人、この他数学は一〇万六六三四人に対し五万五三三四人、化学は五万五二三一人に対し一万三五五九人と、理科系の教科で不足が目立った。
同審議委員で調査を担当したラモス氏は、ブラジルはここ数十年間に初等教育の普及では前進したが、有能な教員の配属など質の面では不十分で、教育省は三年前にも中等教育機関で教員が不足するリスクを警告されていたのに、何も対策を講じなかったと背景について説明した。
教職希望者を増やすには、給与の引き上げ、職場環境の改善、養成機関の整備が必要とみられる。サンパウロ市周辺地域の公立校の物理担当の女性教師は、安月給だけでなく学校現場の改善が必要と訴える。同教師は夜間コースで教えていたが、掛け算や割り算を知らない学生がいるほか、学生から死の脅迫を受けたこともあるという。
CNEは、解決策として教員養成機関の拡充に加え、緊急措置として養成課程に在籍する学生や定年退職した教員の臨時採用を提案している。