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管制トラブルの次は濃霧=SP国際空港6時間閉鎖=安全第一で誘導装置使わず

2007年7月5日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】管制トラブルで異常事態となっているサンパウロ州グアルーリョス市クンビッカ国際空港で三日、今度は濃霧発生で空港閉鎖となり、混乱に輪をかける事態となった。
 空港は視界ゼロの状態となり、このため二日午後十時ごろから三日午前五時ごろまでの六時間以上に及び空港が閉鎖され、発着が停止された。到着便には視界ゼロでも着陸できる誘導装置があるものの、安全を第一として使用されず、カンピーナス市ヴィラコッポス空港などに着陸が変更された。
 国内第二の発着空港だけに、混乱は国際線をはじめとする航空網に影響を与えた。三日午前〇時から午後六時までに予定されていた国際線一四〇九便の二〇・一%が一時間以上の離陸遅れとなった。うち三二便は離陸をビラコッポス空港へと変更された。国内線二一四便の一五%が一時間以上の遅れを見せ、午前十一時にはピークの六一・五%に達した。
 収拾がつかない状態に乗客の怒りが爆発、連警が出動する騒動となった。TAM航空の二日午後八時四十五分発フォルタレーザ行三三二四便が乗客三十三人を乗せて離陸直前にトラブルが発生した。
 数時間後にトラブルが解消したが、その時点で濃霧により空港が閉鎖されたため、同航空は運航をキャンセルした。しかし怒った乗客は飛行機から降りるのを拒否したため、午前四時半に警官隊が出動して乗客を排除した。乗客らは長時間の待ち時間にもかかわらず軽食も出さず、かつ状況説明などの情報提供が一切なかったと不服を申し立てている。結局乗客らは午後の便で目的地に向かった。
 空港整備公団によると、この種の混乱が正常化するには二日間要するとのことで、濃霧が発生しない限り六日には正常に戻るとコメントしている。しかし気象庁の予報ではサンパウロ州は向こう数日間霧が発生しやすいとしており、混乱は続くものとみられている。