2007年7月5日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】カリェイロス上院議長のスキャンダルが表面化し、議長退任を巡って与野党の攻防が続いている中で、上院執行部は三日の会合で、審議を上院倫理委員会に差し戻すことを満場一致で可決した。これにより倫理委員会は正式な手続きを踏んだ上で、議長疑惑を一から審理することになった。
一連の疑惑に関し倫理委員会は、不問とする意向のもとに執行部に下駄をあずけた形をとったが、議長派の画策は功を奏しなかった。
関係者によると執行部の決定に委ねる案は議長派からでたもので、この時点でオクラ入り、あるいは無記名投票による疑惑取り下げを図った。しかしこの両方が拒否されたのに加え、倫理委員会への差し戻しというオマケがついたことで議長派の工作は三重の敗北を味わったとみられている。
執行部では座長を務めたヴィアナ第一副議長(労働者党=PT)を中心に、疑惑を握り潰すことで大勢が固まっていた模様だが、野党側の猛反発で決定が覆ったと伝えられている。
倫理委員会では新たに上程および報告者を任命して審理に当たることになる。カリェイロス議長は相変らず辞任の意向を拒否しているが、今後も針のムシロに座ることになる。