2007年7月7日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】国内需要の旺盛さに支えられて販売記録の更新を続けている自動車業界は、国内販売の年間予想を二三五万台へと上方修正した。昨年対比二二%の増加となった。
予想の修正は今年に入り三度目で、一回目は一月の七・七%、二回目は四月の一四・五%、そして今回の二二%という大幅修正となった。これにともない生産も上方修正し一〇%増の二八七万台とした。
今年の国内総生産(GDP)予想で自動車生産が倍率となったことで、関係者は驚きをもって迎え入れている。業界では経済と所得が安定したという安心感による長期月賦のクレジットの浸透が原因とみている。
これを受けてメーカー筋では新たな投資による増産体制の確立や工場新設の動きを見せている。GMではアメリカ本社の社長が近日来伯し、一〇億レアルの投資を決定する。フィアット社では新工場設立を検討していると伝えられている。
前回の四月の時点での予想修正では年内の販売が二二一万台とされ、これまでの最高記録だった一九九七年の実績二〇九万四〇〇〇台をすでに上回ったが、今回の予想の二三五万台はさらに記録を更新するものとなった。今年六月まで上半期の国内販売は一〇八万二三〇〇台で、去年同期の八六万一二二五台に対し二五・七%増となった。生産は一三八万二七〇〇台で昨年より六・三%増加した。
需要増の原動力となっている長期月賦のクレジット総額は今年五月までに六九九億レアルに達し、昨年同期の五六四億レアルを上回った。昨年五月の金利が二四・九%だったのが今年は一九・四%に引き下げられたのもメリットとなっている。
いっぽうで月賦の不払いや支払い遅延は五月三・一%から六月は二・九%と小幅ながらも減少し、業界では許容範囲だと受け止めている。他の業界では平均七・一%となっている。
いっぽうで国内販売とは対照的に輸出は危機感をあらわにしている。六月度の輸出総額は昨年同月比九・三%増、上半期全体で二%増と表面上は増加を見せたものの、輸出台数が減少しており、実質マイナス成長になっている。
これを踏まえ、業界では年内予想をこれまでのマイナス八・五%からマイナス一一%とした。今年上半期の輸出台数は三七万五七〇〇台で、昨年同期の一〇・八%減となった。昨年の輸出は八四万三〇〇〇台だったが、今年は七五万台とみられている。