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政治家らの審理は手抜き=判事協会、異例の裁判所批判

2007年7月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】ブラジル判事協会は五日、高裁と連邦最高裁は政治家を含む特権階級の犯罪の審理をおざなりにしているとして、異例の裁判所批判の告発を行った。
 同協会がとりまとめたところによると、一九八八年から二〇〇七年までの間に一三〇人が起訴されたにもかかわらず、有罪判決は皆無となっている。さらにこのうち審理が継続されているのは五二件(四〇%)のみで、残りは無罪を示すオクラ入りとなった。
 いっぽうで高裁では三三三人が起訴され、わずか五人(一・五%)が有罪、十一人が無罪、残りはまだ結審に至ってない。
 高級官僚や政治家は高裁あるいは最高裁で裁くことが法令で定められている。同協会によると、裁判所がこれらに対し過保護になっていることから、手抜き裁判の可能性が強いと告発している。
 罪状は公金横領や名誉き損などが多く証拠固めが難しいこともあるが、中には殺人や暴行罪もあり、審理の遅れが理解できないとしている。同協会では裁判所が犯罪の隠れミノになっているとし、今後透明な司法のあり方を求めるキャンペーンを実施するとの態度を示している。