サンパウロ市に建設ブーム到来=今後5年間続く見通し=場所により40%地価高騰
2007年7月11日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】建設ブームの到来でサンパウロ市が変貌を遂げようとしている。近年とくにマルジナル大通り沿いに商業用の高層ビルが林立して注目されたが、専門筋などの関係者によると、向こう五年間でさらに三六〇億レアルの資金が投入されて建設ラッシュが続くという。
サンパウロ市当局が住宅難解消を都市整備計画のもとに主導したもので、これに大手建設会社が追随した。このために国内大手十二社がこぞって、株式を上場し、株販売で一三〇億レアルの資金を調達した。このうちの七〇%相当の九〇億レアルがサンパウロ市内に投資される見通しとなっている。
これに加え、銀行が目下一番注力している住宅購入用融資が投入されることで、総額三六〇億レアルに達するとみられている。この資金をもとに建設会社や宅地分譲業者は市内の土地買いに拍車をかけており、場所によっては四〇%の地上げとなっている。
市当局によると、サンパウロ市の人口約一一〇〇万人のうち、三四〇万人が不安定住居、一六〇万人が違法住居、一二〇万人がファベーラ、六〇万人が長屋の群集住居となっており、当面取り急ぎ八五万戸の住宅が必要となっている。このためサンパウロ市内各所で空きビルや公営住宅の不法占拠が発生している。
しかし一方で、建設ラッシュに対し問題を危惧する向きもある。騒音や公害に加え、工事中の交通妨害や降雨時の出水問題、完成以降の交通ラッシュによる渋滞が挙げられている。
建設が認可された中でも大型として注目されているのが西部バラ・フンダ区のプロジェクトで、三五万平米に三〇棟のビルのうち十五棟がマンションで、一万五〇〇〇人の住民を収容できる。サンパウロ州地方都市のプレジデンテ・ベルナルデス市の人口がそっくりそのまま移住できる規模で、サンパウロ市内に新しい市が誕生することになる。
いっぽうで住民の反対運動に発展している地区もある。西部ビラ・レオポルジナの住民は四十階建ての二棟のマンション建築に対し、工事中止の仮処分の提訴を行った。同地区の工事では騒音や公害が相次いで問題となり、住民が立ち上がった。住民らは市当局の規制が手ぬるいと非難している。これに対し当局は、工事の課徴金は区民の環境改善資金として積立てられ、いずれは区民に還元されるとのメリットを強調している。