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花見の情緒=国士舘センター=文協桜祭りわんさ人出=一気に昨年の倍5千人余=木が生長、仕組みもできた

2007年7月11日付け

 第十一回文協桜祭りが、七日、八日の二日間、サンロッケの国士館センターで開催された。晴天に恵まれて、二百本の沖縄桜はちょうど満開。昨年の倍にあたる五千人以上が入場し、祭りは終日にぎわいを見せた。心地よい陽の光に、桜の木の下で時間を過ごす人も多く、開催二日目には売店のやきそばや、餅、串ものがほとんど売り切れて、関係者らは成功を喜び、うれしい悲鳴をあげていた。
 同センターには沖縄桜のほかに百本のヒマラヤ桜がある。今年は開花時期が早く、ヒマラヤ桜はすでに終わってしまったが、沖縄桜の濃いピンク色の花が見事に咲き乱れ、公園内を華やかに染めた。
 センター内に張られたテントには、カウカイア・ド・アルト、イビウーナ、マイリンケ、ヴァルジェン・グランデの各文協が共催で餅やうどん、やきそばや串ものを用意。コチア青年連絡協議会や国士館の剣道部、マレットゴルフクラブ、ADESC(農協婦人部連合会)の二支部もそれぞれ出店して、寿司やケーキ、おにぎりや煮しめなどの日本料理をずらり並べた。ロシア系とボリビア系のグループも民族料理を販売して人気を集めた。
 舞台ではショーの披露。七日には、今年の全ブラジル太鼓選手権大会で優勝したイビウーナの「龍舞太鼓」の演奏、中平マリコさんのショーが行われて、立ち見の人垣ができた。ウクライナ、ロシア、リトアニア、ボリビアの各民族団体も、鮮やかな色の衣装でそれぞれの民族舞踊を舞い、拍手をよんでいた。
 「もうそんなに手入れしなくてもちゃんと咲くからね。今年はちょうどいいよ」とにぎわいに笑顔を見せるのは、センター内の手入れを手伝っているという、伊藤公一さん(70)。当日、桜の木の下では、木蔭を利用して横になる人、写真撮影に忙しいグループや、敷物を広げる家族連れが見られ、陽気のなか、ゆっくりと花見を楽しんでいた。家族と来場した笠石春江さん(87)は「情緒がありますよね」と桜を見上げて笑った。
 祭りは、午前中から人が集まりだし、昼過ぎに人出のピークを迎える。七日の開会式には、ウィリアン・ウー連邦議員、木多喜八郎文協副会長、エテルビーニョ・ノゲイラ・サンロッケ市議らが出席し、国旗の掲揚と挨拶。野末雅彦JICAサンパウロ支所次長や西田和正国際交流基金所長らも来場して、盛り上がりを満喫していた。
 「他の行事と重なったから(人出を)心配したんだけど」と、文協国士館委員会の諸川有明さんは、人で埋まる会場で満面の笑みを見せる。「この一カ月の間、準備に走りまわったけど、皆がよかったと言ってくれると疲れが吹き飛びますよ」と話し、「(前副会長の)小川彰夫さんがベースを作ってくれたからね。もう来年もやろうと言ってます」と意気込んでいた。